テンナンショウ倶楽部 |
はじめに |
サトイモ科の「テンナンショウ」はArisaema属の植物を指すが、ここでは同サトイモ科で地下に塊茎をもち、休眠期には地上部を枯らすサトイモ科植物を総称してテンナンショウと呼ぶことにする。 花の構造と名称については、右図を参照されたい。実際の「花」は、付属体に多数付くつぶつぶのひとつひとつであるが、苞も含めての総称にする。 栽培は、地上部があるときは水切れさせず、半日陰地、乾燥しすぎず、風の穏やかな屋外で管理する。 地上部が枯れれば、非熱帯の種類は鉢のままコモでもかけて屋外に放置すればよい。ただ、大地に生えている場合は、地温で凍結するようなことはないが、鉢植えの場合、凍結することもありえる。それではまずいので、こわい場合は、室内の温度差がない場所に鉢のまま置いておく(乾いた状態で、潅水は不要)。熱帯性の種類は、室内の暖かい温度差がない場所に鉢のまま置いておく(乾いた状態で、潅水は不要)。 多くの熱帯植物は、冬季は温室だの加温施設だのが必要であるが、テンナンショウは、冬季には地上部を枯らしてしまうので、日光は要らないし、耐寒性もかなり強くなるので、一般家屋の室内でも最低温度5℃程度あるだろうから十分越冬する。 一方で、地中海沿岸原産のものもあり、こちらは地中海性気候の植物なので「冬型」で、秋に萌芽してハウス内で冬季に成長し、春に開花する。夏は地上部を枯らし休眠する。この場合、少なくとも冬季は5℃程度に保たないと傷む、あるいは枯死するので、それなりの施設が必要。 一番の栽培のポイントは、地上部をできるだけ永く温存することであって、早く枯れてしまうと塊茎の発達も悪く小さくなってしまう。地上部が痛むとその年は再生しないので注意が必要である。やたら日照が強い、著しく乾燥させた、暑くしすぎた等では、夏早々に地上部が枯れてしまう。 |
テンナンショウ類の植え付けについて
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サトイモ科テンナンショウ類は塊根を持ちますが、「上根」となりますので、植え付けに注意が必要です。塊根の高さの2倍~3倍以上深く植え付けてください。浅植えすると表土の乾燥で、根が傷みます。 |
栽培環境について |
夏型の植物については、我が圃場には日陰地が無いために、写真のような遮光場を作り露地植えとしています。冬季は地表にワラ製のゴザを敷きます。 冬型の植物については、最低気温5℃のハウスでの管理です。 |