アクテリック乳剤の使い方
サボテン・多肉植物等のカイガラムシ、コナジラミ駆除

 アクテリック乳剤は最高の薬剤でしたが、残念ながら2017年に製造中止となってしまいました。

アクテリック乳剤とは
 サボテン、多肉植物で一番悩ましい害虫はカイガラムシです。サボテンには硬い殻をもったサボテンシロカイガラムシが、多肉植物にはコナカイガラムシがつきます。カイガラムシが成長点付近に多数つくと成長がストップしてしまいます。べたべたした排泄物が、植物を汚し、スス病などを呼び込みます。
 カイガラムシ(コナカイガラムシ)の場合、もっとも良いのは、ハンドリングで掻き落とすことですが、成長点の襞やトゲの間に残ったり、微細な卵が残ると駆除ができません。
 カイガラムシは、殻等をもつため接触性の殺虫剤も効かず、オルトランのような浸透移行性殺虫剤も効き目が弱いため悩まされます。いろいろ試したところ、アクテリック乳剤が最も効果がありました。
 駆除するためには、目に見えるレベルの虫をある程度ハンドリングで掻き落とすとともに、アクテリックを散布するのが効果があります。

 多肉植物につくコナジラミもしつこい害虫です。カイガラムシと同様にべたべたした排泄物が、植物を汚し、スス病などを呼び込みます。コナジラミの場合は飛ぶことができるので、ハンドリングでどうにかしようとしてもすぐ逃げられます。(*)
 基本的に、コナカイガラムシ等を予防するのは簡単で、屋外の軒下など風通しがよく、雨もたまに当る場所の場合で栽培するとほとんど発生しません。よって、薬剤が必要なのは、温室や室内で保護している時期になります。
 コナジラミは、なかなか接触性の殺虫剤も効かず、オルトランのような浸透移行性殺虫剤も効き目が弱いため悩まされます。やはり、アクテリック乳剤が最も効果がありました。

 アクテリックはただ単に散布するのでは、ほとんど効果がありません

 アクテリックの使い方を以下にまとめておきます。
 

使い方
 アクテリックは、接触性の殺虫剤であるとともに、ガス性の殺虫剤でもあります。これを理解していないと効果がありません。

【温室・ハウスの場合】
1 カイガラムシの場合、目に見えるレベルの虫をある程度ハンドリングで掻き落とします。
2 アクテリックを規定量(1000倍)に希釈して散布液を作ります。
3 温室やハウスであるならば、そのすべての植物に夕方に散布します。
4 温室やハウスの扉や窓を閉めて密閉します。かなりキツイ匂いがしますので、入らない方がいいでしょう。
5 翌日、温室やハウスの扉や窓を開放します。

【温室やハウスがなく、植物の数が少ないような場合】
1 カイガラムシの場合、まず、目に見えるレベルの虫をある程度ハンドリングで掻き落とします。
2 アクテリックを規定量(1000倍)に希釈して散布液を作ります。
3 植物に夕方に散布します。
4 散布後、ビニール袋を被せて密封し、日陰においておきます。
5 翌日、ビニール袋をはずします。

 アクテリックであっても卵には効果がありません。卵は2週間程度で孵化しますので、散布から2週間経ったら、再度アクテリックを散布します
 
*コナジラミには色々な種類があり、種類、タイプによって各農薬への耐性が異なります。アクテリックが効かない場合もあります。