パキポディウムは、南アフリカ及びマダガスカルに自生するキョウチクトウ科の多肉植物です。乾季には多肉質の幹、枝で過ごし、雨季が来るとキョウチクトウに似た葉を展開します。
 多くの場合、枝はトゲで覆われており、姿は、塊茎を持ち潅木状になるもの、樽柱状になるものがあります。
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 栽培種プロフィールは、分類により以下の様にページを分けています。
 パキポディウム亜属レウコポディウム節
 パキポディウム亜属 グラダンディムム節
 クリソポディウム亜属
 パルフィロポディウム亜属
 パキポディウム交配種

 下記の栽培難易度は、■が多い方が容易。

 
クリソポディウム亜属
Chrysopodium
Pachypodium horombense
Pachypodium horombense
パキポディウム・ホロンベンセ
Pachypodium horombense

 マダガスカル原産(固有種)。中~南部の中央山地、標高400~900mの岩上に自生。

 成木は、高さ1m程度の塊茎をもつ潅木。
 ホロンベンセには、いろいろなタイプがあるが、いずれにしても、ホロンベンセであれば、花が釣鐘状なので区別ができる。
 花は薄い黄色、花筒がずんぐりとして(釣鐘状)、花の正面から覗くと5つの襞が見える。典型的なホロンベンセ。

 栽培難易度:■■■■

Pachypodium enigmaticum パキポディウム・エニグマチクム
Pachypodium enigmaticum

 マダガスカル原産(固有種)。中央高地アンタナナリボ州ヴァキナカラチャのマンダートに自生。

 学名記載が2014年なので、比較的最近に発見された種類。
 花は、大きく黄色で、花冠裂片は丸く、縁はギザやフリルが入る。とてもあでやか。幹は丸っぽく、枝をよく吹く。

 栽培難易度:■■■

Pachypodium rosulatum

Pachypodium horombense

Pachypodium rosulatum

パキポディウム・ロスラーツム
Pachypodium rosulatum

 マダガスカル原産(固有種)。北西部のマジュンガ州アンツォヒヒ、標高100~600mの岩上に自生。

 多くの変種がある。成木は、高さ1m程度の塊茎をもつ潅木。
 花は黄色でクリソポディウム亜属の中では最も大輪。花筒は細長い。
 クリソポディウム亜属の中では、暑さ寒さにも比較的強く強健。

 栽培難易度:■■■■

Pachypodium rosulatum var. drakei

Pachypodium rosulatum var. drakei

Pachypodium rosulatum var. drakei
パキポディウム・ロスラーツム・デラケイ
Pachypodium rosulatum var. drakei

 マダガスカル原産(固有種)。北西部の岩上に自生。

 ロスラーツムをひょろ高くしたタイプ。デラケイはロスラーツムのシノニムとされるが、育ててみると、背がやたら伸びてクリソポディウム亜属のパキポといよりは、ルーテンベルギアヌムやラメレイ等のパキポディウム亜属のパキポディウムの雰囲気があってカッコ良い。まあ、ずんぐりむっくりを好む人向きではないが。
 花は、直径4cmで、ロスラーツム系の中では最も花筒が太い、黄色。
 成木は、高さ2~3mに達する樽状樹。

 栽培難易度:■■■

パキポディウム・ロスラーツム・エブレネウム
Pachypodium rosulatum var. eburneum

 マダガスカル原産(固有種)。イビティ山、標高1700mの岩上に自生。
 花は白色、花冠裂片は幅広い。
 本種は、パキポディウムの中で最も根が弱い。過湿や土壌菌、あるいは過乾燥からの過湿で、すぐに寝腐れしやすい。油断は禁物と言える。


 栽培難易度:■

Pachypodium rosulatum var. inopinatum
Pachypodium rosulatum var. inopinatum

Pachypodium rosulatum var. inopinatum
パキポディウム・ロスラーツム・イノピナツム
Pachypodium rosulatum var. inopinatum

 マダガスカル原産(固有種)。テロミタの南、標高1500mの岩上に自生。

 花は、白色で、花冠裂片は幅狭く虚弱な雰囲気。
 やや根が弱いので、用土、管理に注意する。かなりの難物、なんだ簡単じゃないかと油断すると突然弱るので、油断は禁物。輸入の大株は大株なだけに体力があるので下手に管理しても長持ちするが、それでずっといけるかというとそうではない。

 栽培難易度:■

パキポディウム・ロスラーツム・カクチペス
Pachypodium rosulatum spp. cactipes

 マダガスカル原産(固有種)。南部に自生。

 花は黄色、花筒は細長く、花冠裂片は大きく丸く、パキポディウムの中では最もゴージャスな花を咲かせる。
 クリソポディウム亜属の中では、暑さ寒さにも比較的強く強健。

 栽培難易度:■■■■



パキポディウム・ロスラーツム・グラキリウス(グラキリス)
Pachypodium rosulatum spp. gracilius

 マダガスカル原産(固有種)。マダガスカル南部の山岳地帯、標高300~1,000mに自生。

 花は黄色、花筒は細長い。
 「象牙宮(ぞうげきゅう)」という和名が付けられているが、そもそもこの名は、基本種パキポディウム・ロスラーツム又はデンシフロルムに対して付けられたものと思われる。
 和名(実際は流通名)は、輸入者が流通しやすいように好き勝手に名付けカタログに載せたものであって、学名のような規約もないし、命名の先取権はない。デファクトスタンダードになったものが勝ち。

 栽培難易度:■■■■

 




パキポディウム・ロスラーツム・ビコロル(ビカラー)
Pachypodium rosulatum ssp. bicolor

 マダガスカル原産(固有種)。マダガスカル西部ベロ=ツィリビヒナの東のかなり限定された地域に自生。

 黄花で中心部はやや白色。非常に珍しいパキポディウム。


 栽培難易度:■■■■

 
 




上が「P.eburneum」、下が「P.leucoxanthum」
パキポディウム・ブレビカウレ・レウコキサンツム
Pachypodium brevicaule ssp. leucoxanthum

 マダガスカル原産(固有種)。中~南部の中央山地のブレビカウレの自生地の一部。

 ブレビカウレとの違いは、花色(白花)、種子の形とされる。珍しいパキポディウムだが、やや流通してきている。
 花色は純白というより、咲始めはクリーム色後に白味。
 栽培難易度:■■■

Pachypodium makayense

パキポディウム・マカイエンセ(マカエンセ)
Pachypodium makayense

 マダガスカル原産(固有種)。中西部のトリアーラ州マッケイ山脈標高650mに自生。

 学名は、マッケイ山脈(マカイ山脈)から来ている。「魔界」とは関係ない。
 「魔界玉(まかいだま)」という和名が付けられている。
 花は黄花で、花筒はやや太く長目。中心は白色。

 栽培難易度:■■

Pachypodium densiflorum

パキポディウム・デンシフロルム No.1
Pachypodium densiflorum

 マダガスカル原産(固有種)。中央高地を中心として、マダガスカル北西のボエニ区からマダガスカル南部のアツィモ・アンドレファナ区まで。

 葉巻の性質がある。

 栽培難易度:■■■■■

Pachypodium densiflorum

パキポディウム・デンシフロルム No.2
Pachypodium densiflorum

 マダガスカル原産(固有種)。中央高地を中心として、マダガスカル北西のボエニ区からマダガスカル南部のアツィモ・アンドレファナ区まで。

 

 栽培難易度:■■■■■