Pantha's Labyrinth
ぱんさのカニのいる生活
−大型陸生のカニの飼育−
海水への依存度
0〜10%
のカニ
 
オカガニ
オカガニ Cardisoma hirtipes
はじめに・・・

 この飼育方法に該当するカニは、亜熱帯・熱帯の海に遠くない下流、森、山地に棲む大型のオカガニ(Cardisoma hirtipes、Land-Crab)、ミナミオカガニ(Cardisoma carnifex、オオオカガニ、ギターサオカガニ)、外国産では、レインボークラブ(レインボー・ランドクラブ、Rainbow Land-crab、Cardisoma armatum)、ハロウィンクラブ(ハロウィン・ランドクラブ、Halloween Land-crab、Gecarcinus quadratus)等オカガニの仲間(オカガニ科)の陸生のカニです。
 とにかく、成長すると、デカく迫力があります。大きいものでは、足を広げれば30cm達します。
 あの有名なクリスマス島のアカガニ(Gecarcoidea natalis)も、この仲間です。
ハロウィンクラブ
ハロウィンクラブ Gecarcinus quadratus
若い個体
 このタイプのカニは、海水に常時浸かることはないので、ろ過設備はどうしても必要というわけではありません。ただし、冬季は加温が必要で、大型の個体は大きな飼育ケースが必要(置き場所も・・)になります。
 わが国において、このカニの飼育についてのデータはほとんどありません。したがって、よく分かっていないことがほとんどです。現在、私の経験上分かったことをまとめていますので、内容が更新される(場合によっては180度変わる)可能性があります。

 わが国では、オカガニの飼育に関する情報は、ほとんどありませんが、海外では、レインボークラブ、ハロウィンクラブがよく飼育されています。飼育方法については、このオカガニに関する海外サイトRainbow Crabs!の記事も参考にしています。

【日本産オカガニ類のプロフィール】
オカガニ
Cardisoma hirtipes
 南西諸島に生息するオカガニです。かなり内陸まで生息しています。
 左右のハサミ脚はほぼ同じ大きさで、甲の溝ははっきりしていて白い線模様に見えます。
ミナミオカガニ
Cardisoma carnifex
 南西諸島に生息するオカガニです。ギターサオカガニ、オオオカガニとも呼ばれます。オカガニと比較すると、やや南に生息します。多くの場合、マングローブ林床に生息していて、あまり海から離れません。
 左右のハサミ脚の大きさが違い、甲はすべすべして、オカガニのような目立つ溝はありません。
その他・希少種(個体数が少なく種の保全のため採集等はしてはいけません。)
ヘリトリオカガニ Cardisoma rotundum オカガニと似ていますが、甲の縁が鋭くありません。他のオカガニと比較すると脚は扁平です。石垣島以南。環境庁版レッドリストでは希少種(NT)。甲幅6cm。
ムラサキオカガニ Gecarcoidea lalandii 体色は、濃い紫色。石垣島以南。環境庁版レッドリストでは希少種(NT)。甲幅5cm
ヒメオカガニ Epigrapsus notatus オカガニと比して極めて小型。海岸近くに棲むとされるがあまり分かっていない。環境庁版レッドリストでは情報不足(DD)種。甲幅1.5cm
その他、亜種あり。
 
【外国産オカガニ類のプロフィール】
ハロウィンクラブ
Gecarcinus quadratus

 中米のコスタリカに生息するオカガニです。
 若い個体(写真)が輸入されます。甲が黒で黄色〜オレンジの公家眉的なニ点があり、ハサミ脚が紫、脚が赤〜オレンジという鮮やかなカニです。色使いといい甲に縦溝までありいかにもハロウィンのカボチャに見えることから、この名が付いています。日本名を付けるのなら、雅(みやび)に「ヘイアンクゲオカガニ」と付けたいです(笑)。
 この種のほか、インドネシア産の「Gercarcinus ruricola」もハロウィンクラブと呼ばれますが、日本ではあまり流通していません。その他、ハロウィンクラブと称して、これとは別種のオカガニが流通する場合もありますので注意が必要です。
 自然界での最大甲幅が7〜8cmとの報告があります。
 自生地での大きめの個体の画像はこちらです。
レインボークラブ
Cardisoma armatum

画像提供:KATSUAYU
 西アフリカのガーナを流れるボルタ川下流等に生息するオカガニです。ナイジェリアから出荷されます。
 若い個体(写真)が輸入されます。甲が青〜紺、脚が赤という鮮やかなカニです。諸外国では、「Patriot Crab(愛国者のカニ、色を国旗に見立てて)」「Moon Crab(月のカニ、産卵時期から)」等色々な流通名で呼ばれますが、日本では、一般的に「レインボークラブ」又は「レインボー・ランドクラブ」と呼ばれます。
 自然界での最大甲幅が15cm(!)以上との報告があります。
その他・わが国で流通しているのは見たことがない種
Gercarcinus ruricola インドネシア産ハロウィンクラブ、ハサミ、他の脚とも赤く、甲の真ん中あたりが黒〜チョコレート色のオカガニ。パープルランドクラブ。
Cardisoma guanhumi フロリダ産の長く巨大なハサミを持つ空色のオカガニ。ブルーランドクラブ。ジャイアントランドクラブ、グレートランドクラブとも呼ばれます。
Gecarcoidea natalis クリスマス島のアカガニ。保護・輸出禁止種。
 


 
 オカガニは、初めて見る人には、とても凶暴に写りますが、とても臆病です。臆病なため人影に逃げまどっても、デカいので暴れまわっているようにしかみえないのです。飼育においては、とにかく落ち着かせて、環境に慣らすことを最優先にしてください。飼育ケースを叩いたり、カニをつついたりするのは論外です。覗き込むこともできるだけ控えてください。ある程度、環境に馴れれば、人影に驚いたりすることはなくなると思います。
他のカニと同じく夜行性ですが、環境に馴れ、落ち着くと昼間でも多少活動します(個体差あり。)。

 なお、このタイプのカニは、同じケースで複数匹は飼育できません。もともとサイズ的に無理なこと、闘争する習性もあり、また、一匹が、脱皮をしてやわらかくなると、他のカニに食べられとても悲惨な状態になる可能性があるからです。


オカガニの巣穴  
 オカガニ類は土に穴を掘り穴居する性質があります(右図)。同じ環境を飼育環境でも作るとなると、細かい砂又は土を、最低でも数十cm程敷くことになります。そのためには、大型個体のオカガニのサイズからは、水族館クラスのかなりの大きさの水槽又は飼育ケースが必要ということになります。
 掃除等メンテナンスの点も含めて、それは、実際上不可能に近いと思います。したがって、飼育ケースそれ自体が、巣穴であるような落ち着ける環境作りをしてあげる必要があります
最低限の飼育環境(全陸方式)

 ここでは、基本的な飼育方法として、「最低限の飼育環境(全陸方式)」を説明します。飼育環境は一つではありません。考えられる飼育環境については、別ページとして「大型陸生のカニの飼育環境」にまとめていますので、参考にしてください。
 

最低限の飼育環境(全陸方式)

最低限の飼育環境(全陸方式)
◆飼育ケース

 とにかく大型なので、飼育ケースには、幅30cm以上、できたら40cm以上のLLサイズ、3Lサイズのプラ飼育ケースを利用します。
 水槽でもいいのですが、きちっと閉まるフタがなく、重たくて掃除が大変なのでプラ飼育ケースがベターです。
 経済的に余裕があれば、下記のような爬虫類・小動物用の専用水槽(天井メッシュ、横開き)が利用できるとベストでしょう。
○トリオ レプロ 450/600
○トリオ エキゾテラ
○スドー ハーブゲージ
○GEX ビバフォレスト
爬虫類・小動物の専用水槽の画像(どういったものかを見せるためのリンクです。この店をお薦めしている訳ではありません。)

◆水入れ

 このカニは、水浴びが大好きです(個体差あり)。1日に何度も水浴びをする場合もあるので、清潔な水を常時、たっぷりと用意します。容器は陶器でもプラスチックでもかまいません。ただ、水入れの幅・奥行きよりも高さがあったり、あまり軽いものだとひっくり返される場合があります。
 水に浸かって潜るのが大好きなので、大きさは、カニの全身が浸かれるものとしてください。従って、かなり大きい容器が必要です。
 脱皮するときには、さらに大きいものが必要になります(当ページ、「脱皮」の項参照のこと。)。
 中に入れる水は、汲み置きのカルキを抜いた水道水でいいようです。

 理想的には、水入れにろ過装置を設置します。
 なお、水の浄化について分からない人は、「ろ過装置による水の浄化原理」をお読みください。

 低水位、かつ汚れの多さから、ろ過装置としては、「低水位用簡易ろ過装置『ぽっとくん』」を利用します。

低水位用簡易ろ過装置『ぽっとくん』の作成
 

◆餌皿

 直接、敷砂の上に餌を置くと痛みやすいので、餌皿を用意する必要があります。餌皿は、軽いものだとひっくり返されますので、重量のある陶器がいいと思います。百円ショップで探してみてください。
 このカニは、砂を引っ掻き回します。そのため、餌皿に砂がとてもたくさん入ります。餌皿は、洗って、濡れはティッシュでふき取り清潔に保ってあげてください。
(餌皿については、「餌皿いろいろ」を参照ください。)

◆隠れ家(シェルター)

駄温鉢の植木鉢  とても臆病なので、必ず隠れ家を用意してください。隠れ家の中に入ったときに、カニが人の視線を感じなくてもよい向きやサイズを選んでください。
 大型のカニなので、普通の隠れ家では追いつきません。
 隠れ家としては、以下のものがあります。

【駄温鉢の植木鉢】
 駄温鉢の植木鉢(写真)が一番安くて入手しやすいでしょう。素焼き鉢は汚れが染み込み、苔などを発生させますのでやめた方がいいでしょう。プラスチックの鉢は軽すぎて、吹っ飛ばされます。植木鉢は、安くいろいろなサイズがあるのでいろいろ選ぶことができます。植木鉢は、敷砂に少し埋めて安定させます。
 欠点は、円筒形なので、どうしても安定がよくないこと、開口部が広いのでカニが落ち着かない等です。

塩ビ管のエルボ 【塩ビ管のエルボ】
 見た目はあまり良くないかもしれませんが、太いサイズの塩ビ管のエルボ(写真)なども、植木鉢より安定よく、曲がっているので、人間の視線を気にせずに済み、棲みかの穴に似ているのかとてもカニが落ち着きます。
 欠点は、表面がつるつるしているので、カニが上に登ると滑ってコケてしまうということです。ケースが狭くカニが上を通らなくてはならないような場合は、問題があるかもしれません。

爬虫類用シェルター 【爬虫類用のシェルター】
 爬虫類用のシェルター(写真)は、サイズが合えばベストです。見た目よく、安定していて、棲みかの穴に似ているのかとてもカニが落ち着きます。
 欠点は、サイズがあまりない。値段が高いという点でしょう。


カニ小屋 【カニ小屋】
 カニ小屋(写真)といっても、何のことはない、木材で手作りした犬小屋ならぬカニ小屋です。全陸方式であれば水浸しという訳ではないので、これでいいでしょう。端材で丁度いい大きさに作ります。接着剤や塗料は使いません。広さや高さはよく考えましょう。

 カニが、いつまでも落ち着かず、あっちを掘ったり、何かをひっくり返したり、伸びをしたりするのは、隠れ家に満足していない場合があります。
 他に、スペース的に余裕があれば、岩や流木などでいろいろレイアウトしてもいいですが、力があるので、変に複雑にしても、めちゃくちゃにされるだけです。配置するものは、重いものを選ぶといいでしょう。当然、不潔なもの、腐敗するもの、薬品が染み込んでいるものはタブーです。

◆敷砂(床材)

 オカガニは土に穴を掘り穴居する性質があります。本来は、細かい砂等を、最低でも数十cm程敷くべきかもしれません。しかし、前述しましたが、大型個体では、屋外に飼育小屋を作るくらいでないとそれは不可能です。
 したがって、カニが歩きやすい、また、若干の湿度を保つために必要として、あまり厚く敷くと掃除などの管理が大変なので、数cm程度敷きます。本来、そうすべきかも知れませんが、5〜10cm厚も敷くと、飼育ケースの中が引っ掻き回されること必定です。
 敷砂(床材)として砂を用いる場合は、特になんでもいいですが、あまり細かいものでは掃除が大変なので、清潔に保もてて洗いやすい大きさの粒がいいでしょう。サンゴ砂は多孔質で汚れが粒子に染み込みますので、鉱物質の大磯砂、珪砂のようなものが扱いやすいでしょう。
 なお、全陸方式で、水入れがしっかり設置されていていつでも水浴びができれば、敷砂(床材)はベタベタに濡らす必要はないため、「砂」でなくとも、爬虫類飼育では定評のあるヤシガラチップが良好です。
 ヤシガラチップは、飼育専用品として購入するとかなり高価なのですが、同じもの(ただし、大粒)が、ガーデニング用の「防草チップ」としてホームセンターなどで廉価に販売されています。これを用いて現在飼育実験をしていますが、防臭、汚れの吸収・分解にかなり効果があります。
(敷砂、ヤシガラチップについては、「敷砂(床材)について」を参照ください。)


◆フタ

 カニが、逃げ出さないようにフタは必須です。
 飼育ケースの場合はセットになっているのでそのまま利用できますが、水槽の場合は、夏は通気、冬は保温が良い物を考えましょう。
 更に、このカニは力が強く、簡単にフタに足がとどくので、フタは紐やベルトで縛っておく方が安全です。

(右写真はGEXの小動物用の水槽用のフタ(40cm水槽用のみなので、大きいカニには不向き。)で、しっかりしたつくりで愛用していますが、とても残念なことに生産中止となってしまいました・・・問屋に在庫があるかもしれませんので、欲しい方はホームセンターに注文してみてください。)

◆ヒーター

 この種類のカニは、最低でも15℃(レインボークラブ、ハロウィンクラブは22℃)が必要です。
 秋には、夜間にかなり冷え込むことがあります。温度が下がると、活動が鈍くなり、場合によっては、死んでしまう場合もあります。このため、秋は、早めに加温を開始するとともに、冬季は、さらにケースを断熱できるもので覆う必要があります。
 加温は、飼育ケースの下にシートヒーターを敷く方法が一番よいと思います。
 ケースの数が多いような場合は、室内温室に園芸用電気温風ヒーター等を置き、乾燥しないように注意してケースごと収納するのが、ひとつひとつ加温するより経済的です。


◆カニ・ガーデン

 あなたがガーデニングも趣味であれば、植木鉢に植物を育ててカニのゲージに設置することもできます。(カニのゲージが明るいところにあることを前提として。)
 有毒物質を含まず(ほとんどの観葉植物は有毒です。)、カニが口にしてもよい植物がいいでしょう。
 なお、植木鉢は、ゲージに入れても収まりが良く、安定する、四角いものがお薦めです。


サツマイモ(芋の頂部を植木鉢に植え、芽を出させたもの。)

レタス(ガーデンレタスの種子を植木鉢に撒いて、芽を出させたもの。) 写真のものは撒きすぎているので、間引く必要があります(間引いたものは、餌にします。)。

飼育管理

◆温度・湿度管理

 飼育ケースを、直射日光にあてるなどすれば、高温になりすぎるため、一年を通して日陰にケースをおきます。夏は、できるだけ風通しの良い場所がいいでしょう。

冬季の簡易的な防寒

*図では、分かりやすさのために発泡スチロールの箱の中を透かして描いています。実際の発泡スチロールの箱は透明ではありません。
*上のフタは、アクリルとしました。ガラスは、断熱性が低いためです。
 秋、1日の最低温度が20℃(レインボークラブ、ハロウィンクラブは25℃)を下がる時期には、飼育ケースの下にシートヒーターを敷き加温するか、前述のように室内温室内で加温します。
 さらに冬季は、よほどの暖地でない限り、それだけでは温度を保てません。更にケースを断熱できるもので覆う必要があります(右図参照)。
 オカガニも低温に注意すべきですが、更に外国産オカガニ、ミナミオカガニの方が低温に弱いので、特に注意してください。
 湿度は、敷砂を若干湿らせることにより保ちます。オカガニは、水入れがしっかり設置されていて、オカガニの必要に応じて水浴びができれば、敷砂は、ベタベタに濡らす必要はないようです。

 以下は、東京及び名古屋の最低・最高気温のグラフです。たとえ家の中であってもそう大きく違いはありません(家の中は、暖かいと誤解をしている人が多い。)。自己の地域の最低気温が、いつ頃15℃を切るかぐらいは知っておきましょう。
 


 以上は、2005年の東京、名古屋の気温のグラフですが、それ以外の地域の気温等のデータは、気象庁のホームページをチェックください。

◆水換え

 水入れの水は頻繁に換えてあげましょう。大型の上に、水入れに餌を引き込んだり、糞をしたりする個体もあり、早く汚れます。汚いように見えなくても、1日おきに換えてあげましょう。
 中に入れる水は、汲み置きのカルキを抜いた水道水でいいようです。
 
◆餌

 この種類のカニは、雑食性です。動物質・植物質をバランスよく与えましょう。
 人間の食物をカニにも与える場合がほとんどですが、カルシウムあふれる海と異なり、陸生のカニは特にカルシウムがポイントとなります。食物に含まれるカルシウムと、カルシウムの摂取に深い関係のあるリン、シュウ酸については、食物に含まれるカルシウムとリン、シュウ酸をご覧ください。
 どうしても食物からのカルシウム摂取だけでは不足します。後述していますが、カルシウム摂取のための補助餌も必ず与えてください。
 同じ餌ばかり与えると飽きて食べなくなる場合もあるので、種類を変えるのも必要です。
 なお、気温が低い、ケースが汚れたり、水が古くなると、カニが弱って餌食いが悪くなります。その場合は、ケースを掃除して、新鮮な水に換えてみましょう。
 大きい個体は植物性のもの、若い個体は動物性のものを好むようです。
 脱皮が近づくと約1か月、餌を食べなくなります(後述)。
 食べ残しは除いて、ケースが不潔にならないようにします。
 生息地では、落葉、土(その中の有機物?ミネラル?)などを摂食するようです。落葉などは、栄養価があまりない様に思えますが、落葉を分解するバクテリアといっしょに食べるとかなりの栄養価があるといわれています。これをどう飼育下に組み入れるかは、大きな課題です。(落葉といっても、植物自体がが温帯とは異なる。)
 下表は、食べることを確認した餌です。この他にも食べる餌があるかもしれません。随時更新します。

野菜
 この種のカニは、植物性の餌も喜んで食べますので、料理の時にでるキュウリ、ニンジン、レタス等の野菜クズも捨てずに与えて見てください。ただし、植物性の餌だけでは生きていけません。
 タマネギ、ネギ、ニラ等の香りやあくの強いものは、避けたほうが無難でしょう。
 野菜の好みは、以下のような感じです。
アブラナ科の野菜
(ダイコン、白菜、小松菜、キャベツ等)
あまり好みません。
セリ科の野菜(ニンジン、セロリ)食べます。
キク科の野菜(レタス、サラダ菜等)食べます。
ウリ科の野菜(キュウリ等)食べます。
ナス科の野菜(ナス、ピーマン等)食べます。
サツマイモ
 オカガニは、別名「カンダクイガン(サツマイモ食いガニ)」と呼ばれます。サツマイモは、特に好きなようです。
リンゴ
その他果物

 リンゴは好きです。捨ててしまう芯のあたりをあげるとよいでしょう。
 その他、果物は、いろいろ食べます。ただ、輸入果物は、防カビ剤など残留農薬が心配ですけど。
マテバシイの葉

Click!
 マテバシイ(Pasania edulis)は、古くは、南西諸島から九州に自生していた高木で、有用性から本州各地に移植され、現在では、いたるところの公園に植生されています。
 庭園樹の場合は、消毒薬の影響が心配なので、消毒しそうにない神社や公園にある木の葉を与える必要があります。
 オカガニは自然界では木の葉(落葉など)を食していますが、生息地は亜熱帯となるため、そうした(オカガニが食べていたような)樹木の葉の入手が困難です。このため、(1)オカガニの生息地にもあり、(2)本州の我が家近くにあり入手しやすく、(3)有毒物質を含まない樹木として検討した結果、「マテバシイ」となった訳です。
 栄養価や本当に良いのかは、まったく分かりませんが、実際に、マテバシイの葉を与えてみたところ、喜んで食べたのでここに記載します。
シュロガヤツリの葉

 シュロガヤツリ(Cyperus alternifolius カヤツリグサ科)は、元々マダガスカル島原産で世界中の暖地に植栽されている水辺植物です。
 我が国のオカガニはまったく食べないようですが、外国産のオカガニ類(ハロウィンクラブ)は、好んでよく食べます。
キョーリン
ザリガニ・ヤドカリ・カニの餌

 ザリガニ・ヤドカリの餌と称して売っているものです。とても扱いやすいのですが、小粒なために、大型のカニにとっては、食べにくいし、あまり食べ応えがないでしょう。甲幅3〜4cmくらいの若年個体ならいいでしょう。
【使用原料】
フィッシュミール、とうもろこし、糟糠類、小麦粉、大豆粕、グルテンミール、オキアミミール、魚油、消化酵素、ビール酵母、ガーリック、カロチノイド、アミノ酸、各種ビタミン、各種ミネラル、安定型ビタミンC
テトラ
ベジタブル スティック

 中型・大型の植物食性観賞魚の人工餌です。粒が大きく、雑食性のカニには良いのではないかと思います。カニの大きさに合わせて、そのまま、あるいは折って与えます。
【使用原料】
フィッシュミール、イースト、オートミール、海藻ミール、シュリンプミール、スキムミール、レシチン、その他
煮干・ジャコ・シラス
 煮干、ジャコ、シラスも食べます。
 着色剤、防腐剤、漂白剤等の無添加のものがいいです。
キビナゴ等の丸干し
 煮干等は乾燥しているので、保存性はいいのですが、堅すぎて食べずらいのが正直なところです。キビナゴ、イカナゴなどの小魚のソフトでジューシーな丸干しが手に入れば餌にできます。カニが食べきれる程度の大きさに合わせて切って与えます。冷凍して保存します。
 着色剤、防腐剤、漂白剤等の無添加のものがいいです。
クリル
 クリルは、観賞魚の餌にする、アミエビをフリーズドライしたものです。
 開封するととにかく酸化が早く、頭が黒ずんできます。こうした、クリルを与えてはいけません。多少割高でも少量で乾燥剤同封の製品を使うべきです。
ナチュラルチーズ
 禁じ手?
 通常、食べさせるものではありません。ただ、嗜好性が高いので、餌を食べなくなったときに、飽きたために食べないのかどうかを確認するために与えて見るものです。
カルシウム補助餌
キャトルボーン

 キャトルボーンは、コウイカの甲です。
 甲殻類の外殻は、キチン質、たんぱく質、炭酸カルシウムからできています。甲殻類にはできる限り、カルシウムを与えるべきです。特に陸生のカニは、カルシウムの摂取不足になります。一般の食品では、カルシウムの摂取が十分できないため、カルシウム補助餌が必要と考えます。
 一度に大量に食べるものでもないため、直接餌皿に置くと、汚れたり、ひっくり返されたりするので、針金で吊るし常置するようにします。
 海外の記事で、レインボー・ランドクラブ(Rainbow Land-crab、Cardisoma armatum)の飼育者が、与えることが必要と記載していましたので、試しています。かなり食べていることが確認できましたので記載しました。
 
【食べさせてはいけないと思われる餌】
レップカル リクガメフード、
イグアナフード等の人工餌

成分に硫酸銅が入っているもの。
 色とりどりの粒状の餌です。果物、野菜等で味付けがしてあるので、喜んで食べるとは思いますが、この人工餌には、「硫酸銅」が添加されています。リクガメ、イグアナなど脊椎動物の場合、微量な銅は必須要素ですが、無脊椎動物にとっては代謝異常を起こさせる可能性があります。安全性が確認できないので与えない方が無難です。
ホウレンソウ
成分にシュウ酸が多く含まれる野菜

 シュウ酸は、カルシウムと結びつきシュウ酸カルシウムを形成します。このため、カルシウム、その他ミネラルの吸収を不足させる可能性があります。これは、脊椎動物、無脊椎動物共通と思われますので、あえて与えない方が無難です。
 ホウレンソウの他にも、タケノコ、ショウガ、ミョウガなどに多く含まれますが、これらをあげる人はいないと思います。
 野菜には、多かれ少なかれシュウ酸は含まれているので、大したことはないという考えもありますが、キュウリ、ダイコンにはシュウ酸は含まれず、ホウレンソウには、サツマイモのシュウ酸含有量の5倍の量が含まれます。

【参考】
 海外のレインボー・ランドクラブの飼育サイトRainbow Crabs!から餌についての記事です。和訳が正しくない場合があるので、原文も載せています。違っていたらご指摘ください。
(当サイトは、Rainbow Crabs!の作者であるDebbie氏から転載、翻訳についての許可を得ています。)

Crabs eat the following:
カニは以下のものを食べます。

Lance fish イカナゴ、日本で言うところのジャコ、シラスの類
Blood worm 赤虫
観賞魚用の赤虫は小さすぎるので、おそらく乾燥させたブロック状のものか、釣り餌の大きいのか?
Apple リンゴ
Carrot ニンジン
Brine shrimp ブラインシュリンプ
普通のブラインシュリンプは、小さすぎるので、おそらく乾燥させたブロック状のものか?
Lettuce レタス
Cucumber キュウリ
Grapes ブドウ
Cuttle fish キャトルボーン
Seeds 種子類
鳥の餌のようなものでしょうか?
Crest トサカ?
鶏のトサカは、日本では食べる習慣がないのですが、珍味だそうです。それなのかな?よくわかりません。
Almonds アーモンド

It is essential that a rainbow crab should be fed fish and shrimp daily. Crabs need the extra calcuim and protein in order to grow a new healthy shell and shed successfully.
日々、魚と小エビを与えることは、カニにとって不可欠です。カニは余分なカルシウムとたんぱく質を、新しい健康的な殻を育てることと脱皮を成功させるために必要とします。

You may also notice that your crab stops eating a few months prior to shedding, this is normal. You will also notice that crabs require less food as they reach adulthood as they longer need a calcuim rich diet as they are not shedding!
あなたは、カニが脱皮する数か月前に食べなくなることに気付くでしょう。それは、正常なのです。また、カニが脱皮する予定でないとき、彼らがより長い間カルシウムの栄養に富んだ食事を必要としながら、大人になったとき、少しの餌しか必要としないことを、あなたは気付くでしょう。

Loosing limbs
脚の喪失について

Loosing limbs in the crab species is very common and sadly is what I get the most emails about. There are three main reasons why a crab looses limbs.
カニが脚を喪失することは、よくあります。それについて私が多くのメールを受け取るのは、悲しいことです。カニが脚を喪失するには、3つの主な理由があります。

(1)ケンカ(略)

2)Diet - Crabs can also loose their limbs because they are not being fed the right diet. One person that email could not understand why her crab was loosing its limbs but it turned out she was feeding it cheese and bread! Crabs need a lot of protein and calcuim in order to shed properly - its essential. Fish and shrimp (without flavourings or salt) can be brought from aquaruims and is the ideal food for this species.
(2)適切な食事 カニは、適切な餌を与えていないことにより脚を落とすことがあります。 メールしてきた一人の人は、彼女のカニがなぜ脚を落としたのか理由が分かりませんでした。しかし、彼女が、チーズとパンをカニに与えていたことが判明しました!カニはうまく脱皮できるよう、多くのタンパク質とカルシウムを必要とします-それは不可欠です。 魚とエビ(塩のない)は、アクアリウムのものを流用できて、この種のための理想的な食物です。

(3)脱皮不全(略)

◆飼育ケースの掃除

 ケースを不潔にしていると長生きできません。よごれていると思ったら、カニも含めすべて出して掃除します。
 カニをバケツや他の飼育ケースに移し、残った、敷砂(床材)、水入れ、餌入れを洗ってあげましょう(カニを退避しているときの逃走に注意。)。  敷砂は、お米を研ぐようにしてあらうとゴミやらウンチやらが浮いていっぱい出てきます。洗った後は、日光消毒ができれば、更にベストです(カニは日光消毒しないように・・)。
 右写真は、オカガニのウンチです。


◆脱皮

 自然界において、オカガニは、自分の巣穴の入り口を土で締め切り、巣穴奥の水溜りで脱皮をするとの報告があります。ある程度体が固まる間は、暗い巣穴の底で、溜め込んだ餌や自分の抜け殻を食べて過ごします。
 飼育下において脱皮が近づいていることがはっきり分かるわけではありませんが、数か月程度餌を食べなくなります。また、更に近づくと頻繁に水浴びし水部の回りにいつもいるようになるようです。
 脱皮には、かなりスペースのある水入れが必要になります。自然界では、自分で穴を掘り広げますが、飼育下ではそういう訳にいきません。幅、奥行きが、目いっぱい脚を伸ばした状態でも余裕があるくらいの水入れが必要です。脚を折り曲げた状態でしか入れない水入れでは、脱皮不全になって死んでしまいます。
 兆候が現れたら、振動や周りの環境に敏感になりますので、水を清潔にし、飼育ケースを布で覆うなどしてその時を待ちます。
 脱皮後活動をはじめるまでは、とても弱い状態なので、触れることはおろか、無用なストレスを与えないようにします。飼育ケースを布で覆うことを続けます。脱皮後カルシウムを補給するための重要な餌になりますので、抜け殻はそのままにします
 脱皮に失敗すると、脚を失うなどの結果になり、とても心配ですが、その後の経過がよければ、脱皮のたびに元通りの大きさに戻っていきます。

【参考】
 海外のレインボー・ランドクラブの飼育サイトRainbow Crabs!から脱皮時の脚の喪失についての記事です。和訳が正しくない場合があるので、原文も載せています。違っていたらご指摘ください。
(当サイトは、Rainbow Crabs!の作者であるDebbie氏から転載、翻訳についての許可を得ています。)

Loosing limbs
脚の喪失について

Loosing limbs in the crab species is very common and sadly is what I get the most emails about. There are three main reasons why a crab looses limbs.
カニが脚を落とすことは、よくあります。それについて私が多くのメールを受け取るのは、悲しいことです。カニが脚を喪失するのには、3つの主な理由があります。

(1)ケンカ(略)

(2)適切な食事(略)

3) Exoskeleton - This is the hard outer shell. When crabs escape out of their shell during shedding they must do so within a certain amount of time. If they don't escape by the time the new shell hardens they will become trapped and die. Often limbs are lost because the crab hasn't removed its limbs from its old shell in time and therefore they become trapped - the crab has no choice but to rip its legs off in order to survive. Sadly, in this situation you just have to let nature take its course.
(3)甲殻、それは固い外側の殻です。 カニが、ある時間以内に脱皮するとき、彼らの古い殻から逃げ出さなければなりません。新しい殻が硬くなるまでに(古い殻から)逃げないと、彼らは古い殻に捕らえられ死ぬでしょう。カニが時間内に古い殻から脚が抜けないとの理由で、しばしば脚は無くなります。そして、彼らは困った状態になります。− カニは、生き残るために、脚を切り取らざるを得ません。悲しいことに、この状況では、あなたはただ自然の成り行きに任せなければなりません。

 Rainbow Crabs!のBBSでは、すべての脚を失ってしまった(!)カニが、飼い主の懸命な介護によって(次の脱皮に)完全に脚を取り戻したという、報告があります。
 脱皮が、それまでの飼育(栄養状態を含め)の結果となりますので、期待半分、不安半分になるのはしかたがないことです。
(脱皮については、Rainbow Crabs!のBBSの情報を元に記載しています。レインボークラブとオカガニとの違いがあるかもしれませんが、その点ははっきりしません。)

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