Pantha's Labyrinth
ぱんさのカニのいる生活
−大型陸生のカニの飼育環境−
 
ハロウィンクラブ はじめに・・・

 この飼育環境に該当するカニは、亜熱帯・熱帯の海に遠くない下流、森、山地に棲む大型のオカガニ(Cardisoma hirtipes、Land-Crab)、ミナミオカガニ(Cardisoma carnifex、オオオカガニ、ギターサオカガニ)、外国産では、レインボークラブ(レインボー・ランドクラブ、Rainbow Land-crab、Cardisoma armatum)、ハロウィンクラブ(ハロウィン・ランドクラブ、Halloween Land-crab、Gecarcinus quadratus)等オカガニの仲間の陸生のカニです。
 これらオカガニ類の飼育一般については、先ず「大型陸生のカニの飼育方法」をご覧ください。ここでは、甲幅5cm未満の若い個体の飼育環境作りの案についてのみ述べます。
 大型個体についても、同様のスケールを大きくした環境が理想的と考えますが、そのためにはスペースとお金が必要となります。あなたが、この点を問題視しなければ、お試しください。

飼育ケース

 飼育ケースには、プラ飼育ケース又は水槽を利用します。
 水槽の場合、きちっと閉まるフタがないのが、欠点です。経済的に余裕があれば、下記のような爬虫類・小動物の専用水槽(天井メッシュ、横開き)が利用できるとベストでしょう。
○トリオ レプロ 450/600
○トリオ エキゾテラ
○スドー ハーブゲージ
○GEX ビバフォレスト
爬虫類・小動物の専用水槽の画像(どういったものかを見せるためのリンクです。この店をお薦めしている訳ではありません。)

飼育環境のモデル

 これらのオカガニ類を飼育するために考案される飼育環境には、以下の3つのモデルが考えられます。それぞれに長短があります。

 下記のいろいろな方式を実際に試してみましたが、いろいろな点で問題が発生し、現在のところ、若い小型個体であれば「モデル3−3 半水半陸方式その3」がベストと感じています。


モデル1 全陸方式

 ゲージすべてを陸部として、敷砂(床材)を敷き、別に水入れを設置する方法です。

長所 ○経費がかからない。
○ゲージの大きさを有効利用できる。装置等を必要としないので、ケージをあまり大きくしなくても済む。スペースをとらない。
○水の交換が簡単。(水入れをゲージの外に出してジャ〜と捨てればよい。)
短所 水入れの水は、1日おきに換える必要がある
○敷砂(床材)は、頻繁に掃除する必要がある(ヤシガラチップ利用の場合は、頻繁ではない。)。
 

爬虫類・小動物の専用水槽(天井メッシュ、横開き)を用いた全陸方式の環境例
 


モデル2 全水方式

 ゲージすべてを水部として、石や流木をを置き、陸を作る方法です。もともと、オカガニは水棲のカニではないので、あまり良くないと思う。

長所 ○経費がかからない。
○ゲージの大きさを有効利用できる。装置等を必要としないので、ケージをあまり大きくしなくても済む。スペースをとらない。
短所 ○オカガニ類の生態からはかけ離れている。ストレスはないだろうか?
○水の交換が大変(ポンプアップ?)。とてもじゃないので、なんらかのろ過装置は必要になる。
 


モデル3−1 半水半陸(傾斜)方式

 ゲージの半分を水部、半分を陸部として、陸部には傾斜を付け巣穴掘りを可能にさせる方法です。いろいろな海外サイトで紹介される方法です。

 ○巣穴崩れを防ぐため、微細粒のサンドを使うことが必要です。

長所 ○経費がかからない。
○オカガニ類の生態に最も近い。
短所 ○かなり大きなゲージが必要(甲幅5cmのカニで最低60cm水槽は必要。)。砂の崩れが水部を潰さないようにするため、ゲージの余裕が必要。
水の交換が頻繁で大変(ポンプアップ?)。とてもじゃないので、なんらかのろ過装置は必要になる。
砂の崩れが水部を潰す。同じ形で維持しにくい。
 


モデル3−2 半水半陸方式その2

 前述の半水半陸方式の改善案で、「土留め」と「ろ過装置」を加えています。


長所 ○オカガニ類の生態に最も近い。
○ろ過装置によるが、水換えの頻度が少なくてすむ。
短所 ○それなりの大きさのゲージが必要(甲幅5cmのカニで60cm〜は必要。)。土留めとろ過装置を加える必要があるため。
土留めがずれない工夫、サンドが水部に漏れない工夫がとても難しい
○低水位が可能でかつ性能のよいというろ過装置が少ない(*)。

(*)今のところ水中式フィルター(水中ポンプ式のこと。エアー式は、あまりにも能力がないので不可)を横倒し利用くらい。トリオ・アクアマイクロフィルター、Nisso・フリーフロー、カミハタ・リオフィルターセット、GEX・e〜ROKA等。かなり大きいゲージであれば、パワーフィルターが利用できる可能性がある。

 


モデル3−3 半水半陸方式その3

 前述の半水半陸方式その2の改善案です。

 半水半陸方式その2では、どう土留めするかが一番の問題で、以下は、ゲージの小型を考慮した2つの土留め方法を記載しています。



長所 ○オカガニ類の生態に最も近い。
○ろ過装置によるが、水換えの頻度が少なくてすむ。
○工夫すれば、そんなに大きなゲージがいらない。
短所 ○低水位が可能でかつ性能のよいというろ過装置が少ない(*)。

(*)今のところ水中式フィルター(水中ポンプ式のこと。エアー式は、あまりにも能力がないので不可)を横倒し利用くらい。トリオ・アクアマイクロフィルター、Nisso・フリーフロー、カミハタ・リオフィルターセット、GEX・e〜ROKA等。かなり大きいゲージであれば、パワーフィルターが利用できる可能性がある。

 

「半水半陸方式その2」方式の環境例1
  • 底を抜いたタッパーで枠を作って土留めし水部を確保。
  • 小型水中ポンプ式ろ過装置としては、GEXの「e〜ROKA」等を横倒しで利用しました。「e〜ROKA」を利用する場合は、若干注意点がありますので、e〜ROKA利用の実際を参照してください。

「半水半陸方式その2」方式の環境例2
  • 園芸用育苗箱(ザルのようなもの。通水用の穴があいている。大きすぎるのが難点。)を用いて土留めし水部を確保。
  • 小型水中ポンプ式ろ過装置としては、GEXの「e〜ROKA」等を横倒しで利用しました。「e〜ROKA」を利用する場合は、若干注意点がありますので、e〜ROKA利用の実際を参照してください。
  • ゲージの大きさに余裕があるので、植木鉢に植えた植物(ガジュマル)を配してみました。
 


モデル4 底面ろ過付加半水半陸方式(アクアテラリウム方式)

 予め水中ポンプ式底面ろ過を設置した上に、水部と陸部からなる環境を作るものです。
 底面ろ過板の上には、中粒のサンドを敷きろ過部とし、その上に、水がオーバーフローする容器による水部と細粒の陸部を組み立てます(目詰まりするので微細粒の砂は利用できません。)。
 底面ろ過の問題は、細かいサンドの場合は目詰まりを起すので、ろ過部とその上とは、ウールマットと潜り込み防止アミで遮断します。

 この方式も実際に試してみましたが、底面ろ過装置の目詰まりが起きて、あえなく1年で崩壊してしまいました。

長所 ○水換えの頻度が少なくてすむと考えられる。
短所 ○それなりの大きさのゲージが必要。
○長い間(半年?1年?)にはウールマットの目詰まりが起きる可能性がある。
 


留意事項

環境維持
 いくらろ過が機能していても、食べ残し等を放置すれば、環境は悪化します。食べ残し等目立つゴミは片付けるようにしましょう。

足し水
 水は、どんどん蒸発していきます。ポンプの最低水位より水位が下がると、ポンプが空回りしてポンプの故障につながります。このため、数日おきに水位を確認して、水位が低くなっていれば、最初の水位になるよう、カルキ抜きをした水道水を足します。これを「足し水」といいます。

水換え
 ろ過が正常に働いていれば、2か月くらいは水を替えなくてもかまいません。ただし、腐敗臭がするようであれば、ろ過がまともに機能していないことになります。この場合は、ろ過が正しくセットされているか、餌をやりすぎていないかチェックすべきです。正常に働いていれば、ほとんど臭いはありません。
 水換えは、必ずポンプを止めて、チューブなどでサイホン式に水部の水をすべて汲み出して、新しい水を前と同じ水位まで足せば十分でしょう。

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