2014年12月記載、2019年11月ページのレイアウトを変更、2020年1月改訂
植物育成用蛍光管形LED灯を使う
 探すといろいろな植物育成用LED灯がありますが、多くは大陸からの輸入品です。きちっとした輸入元もあれば、右から左へ輸入して販売しているところもあります。
 私の栽培環境は、上下スペースのない棚を複数段使用しており、この環境での選択肢としては、蛍光管形LED灯がベストです。横幅は20型蛍光管(直管形)が使えるサイズなので、20型蛍光管形LED灯を2本、2灯式灯具で使っています。モノは中国からの輸入品で、廉価なものです。スペックは以下のとおりですが、細かいデータはありません。


【使用蛍光管形LED灯のスペック】
以下を2灯式灯具で2本使用しました。
メーカー 中国某メーカー
形状 20型蛍光管形LED灯、口金G13
電圧 85V~250V、50-60Hz
消費電力 6W
ビオルックスに比べて1/3でかなり少ない。波長や光量が適切でこれで問題なく育つのであれば言うことない。
LED チップ(SMD)型LED(型名等分からず)
赤660nm:40個、青440nm:8個(LEDの数的には5:1)
分光スペクトルデータ なし
PSEマーク あり
*蛍光管形LED単独の場合はPSE対象外、ただし灯具については対象。なぜ付いているのか不明。
価格 2,000円くらい(2014年12月当時)

蛍光管型LED灯の取り付け
 蛍光灯に必要不可欠な点灯管や安定器(あるいはインバータ回路)も、LED灯には必要がありません。ですから、蛍光管型LED灯は、既存の蛍光管の灯具にそのままでは取り付けられません。

蛍光管型LED灯は、既存の蛍光管の灯具にそのままでは取り付けられない

 グロースタート式灯具の場合点灯管(グロー管)を外して取り付ければいいのですが、そのままだと蛍光灯用の安定器を介するので、これがLED灯の不安定さを招く原因になります。このため、LED灯の両端子に家庭用電源100Vを直結するようにしたものか、そのように作られている蛍光管型LED用灯具を使用するべきです。



 今回使用した灯具はLED灯の両端子に家庭用電源100Vを直結するようにしてあるものです。
 蛍光灯灯具には、トラフ形、笠付きトラフ形、逆富士形等がありますが、LEDの光は指向性が高く光源からの光が拡散しないので、どれでも問題ありません。
 通常、20型蛍光管は、管体部分は長さ57.5~58cm位なのですが、このLED灯は58.5cmもあるため、G13ソケットが、はさみ込み型の場合はサイズが合わなくて取り付けできません。幸い、灯具の筐体が柔いのでG13ソケットを広げて無理矢理押し込みました。G13ソケットが差し込み形ならいいかもしれませんね。

蛍光管型LED灯の使用結果
 点灯すると、強烈に赤いです。直視すると目が痛くなりますね。目視では、青440nmが弱い感じです。エネルギー量からいうと10:1くらいなのかもしれません。
 植物から20cm程度の距離で照射しています。


 2014年から約5年間利用した結果、器具自体にまったく問題はありませんでした。故障をはじめとして何らかの異常も見られませんし、目視的には光量の変化は感じられません(蛍光管の場合、薄暗くなり口金近くが黒ずんでくる。)。
 私のところではLED灯を初期育苗に用いていますが、その使用範囲では、徒長等異常な成長等見られません。植物により植物の赤味(褐色)がやや強くなる傾向が見られます。このメカニズムは分かっていませんが、おそらく赤い波長を制限するために、対応する植物色素が多く生合成されているのでしょう。