アデニウム・ソコトラヌム
真正ソコトラヌム
Adenium socotranum
ソコトラのアデニウム・ソコトラヌムは、ソコトラの奇天烈な植物としてよく紹介され知られています。
ソコトラヌムの自生地における花の色は、ピンクがベースですが、白に近いものから、色の濃いものまで幅広いタイプがあるそうです。
【本物のソコトラヌムとタイ・ソコトラヌム】
写真のものが本物のソコトラヌムです。なぜ、「本物」と改めて言うかというと、よく「ソコトラヌム」という名前で国内の通販や店舗で販売されているものは、本種ではなく、東南アジアのタイで作出されたアデニウムの交配種群である商品名(流通名)「Thai Socotranum タイ・ソコトラヌム」(略して「タイソコ」)だからです。
本来、そのアデニウム雑種は、商品名(流通名)であるところの「タイ・ソコトラヌム」と表示すべきものでありますが、市場で略されて「ソコトラヌム」と表記された結果、無知なショップによって、ソコトラに自生している訳でもないアデニウム交配種がアデニウム・ソコトラヌムになってしまいました。
ちなみに、タイ・ソコトラヌムは、アデニウム・オベスム、同アラビクムが入った交配種と考えられます。本物のソコトラヌムの血統が少しでも入っているかどうかは分かりません。「タイ・ソコトラヌム」は、交配種らしくかなり強健な植物なので、栽培は普通のアデニウムと同様に扱えばいいでしょう。
【本物のソコトラヌムの特徴】
○葉長は4cmから成木では15cmに達する。
○葉は倒披針形、倒卵形~へら形(重要!!)で先端はほんの少し突起する。(オベスム、アラビクムは披針形、ソマレンセは線形)
○葉色は濃緑。葉脈は主脈、側脈とも白くクッキリとして目立ち、日射量によりややピンクがかる。
○根本はよく膨らむものの、若木では枝はほとんど分岐せず何もしなければ単幹。自生地に見られる数十年の大樹になってやっと枝分かれする。
【参考:植物の葉の形の呼び方】
【ソコトラヌムの性質と栽培】
ソコトラヌムの栽培は、他のアデニウムと大差はないため、栽培については準じていいと思われます。
ただ、オベスムやアラビクム等のアデニウムと比べて、ソコトラヌムは、成長期の初め(初夏)に、数枚の葉を展開するのみで、そのまま伸長するでもなく成長期を過ごして、落葉休眠期を迎えます。この毎年の繰り返しなので、他のアデニウムと比べて成長はかなり遅い植物といっていいでしょう。
初夏に新葉を展開して、不思議なことに秋にも新葉が出ることがあるようで、これはなぜかとつらつら考えるに、自生地では春秋の2回(やや降水量の多い時期に)成長期があるのではないかと推測しています。
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