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「露地植え」とは

 先ず「地植え」とは、地面に直接植えることを言います。温室・ハウス内の地面(ベッド)に植えることも地植えです。植物園の温室内の植栽も地植えです。
 「露地植え」とは、屋根等がなく雨露がじかに当たる土地(庭等)に「地植え」することです。いわゆる「庭植え」。雨が激しければびしょ濡れになる軒の下や、季節的に簡易な雪・霜避けを設置する場合も含みます。このコンテンツは、「露地植え」に関するものです。
 私のところでは、(ハウス内)地植えもあれば露地植えもあります。環境的にはまったく違います。このため、「地植え」と「露地植え」の言葉をごっちゃに使われると、どちらの意味で使っているのか、かなり考えさせられます。「路地植え」なんて書く人も多いのに驚かされます。

露地植えの基本中の基本

 サボテン・多肉植物を露地植えにしたい。それは、サボテン・多肉植物が好きな人だけに限らず、エキゾチックな庭造りをしたい人にとっても憧れかもしれません。
 冬季の「最低気温」がかなり暖かい5℃程度の地方であれば、かなりのサボテン・多肉植物が露地植えにでき、良い成績で栽培することが可能になります。ただ、それは、かなり暖かいごく一部の地方だけであって、その他の土地では無理な話でしょう。
 多くの場合、「最低気温」は人間が熟睡している明け方に記録されるので、普通はあまり意識しておらず、昼間の気温から、自分のところは「暖かい」と、無知からくる大きな誤解をしている人が多いものです。まず、あなたの地方の気温変化、特に最低気温を知ることは基本中の基本、それから始めましょう。
 なお、「気温」と実際に植物が感じている温度にはかなり違いがあります。「知っておきたい放射冷却」のページにまとめてありますので、参照してください。
 -4℃を下回る地方では、サボテンの露地植えは難しいと思います。このページでは、当地とほぼ同様の気候の地域、-4℃を下回ることがほとんどない地方(数年に1度は下回ることがある)(植栽の目安に使用される「植物耐寒性ゾーン」では「9a」と「9b」の境界付近)での露地植えにするための条件等を整理します。
 一方、多肉植物はサボテンと異なり、分布が全世界に及びますので、さらに低温の地域でも露地植えが可能な種類がありますし、冬季よりも逆に夏季にダメージを受ける場合があります。

 以下は、全国15地点の過去5年間に記録された極値「最も低い気温」「最も高い気温」をグラフ化したものです。グラフ内には、植物耐寒性ゾーンを表示しています。「最も低い気温」が含まれるゾーンが当該地点の植物耐寒性ゾーンです。

●棒グラフ左端の青字の数値は「最も低い気温」、()内の日付はその気温が観測された日を意味します。
●棒グラフ右端の赤字の数値は「最も高い気温」、()内の日付はその気温が観測された日を意味します。
●気象庁観測気温なので、放射冷却現象による物体面温度とは差があります。放射冷却現象による物体面温度はさらに数℃低い温度となります。



 その他の地域については、「気象庁・過去の過去の気象データ検索」を参照するとよいでしょう。あなたの住んでいる地方を指定して、「年ごとの値」メニューを選びます。過去10年程度の最低気温を見てください。

 下図は、上記の基準を日本地図に示したものです。


:我が家とほぼ同じくらいかそれ以上に温暖だろうと推測される地域(露地植えイケイケ地域)(「植物耐寒性ゾーン」の「9a」と「9b」の境界付近以上。)
:我が家よりやや低温だろうと推測される地域(「植物耐寒性ゾーン」の「9a」以下。)
:我が家よりかなり低温で絶望的かもしれないと推測される地域
 
 特定地点の年間の気温変化については、当サイトの「直近の最低/最高気温の推移」に全国15地点の気温変化をまとめていますのでご覧ください。
 以下のグラフは、当地の日ごとの最低/最高気温の変化です。横線は、0℃(青線)、-4℃(青線)を示します。


当地の直近の最低/最高気温の変化(日単位) 
 

 
「楽しい多肉植物・サボテンの露地植え」

 サボテン・多肉植物の露地植えに関する基礎知識や方法については、下記出版物をお薦めします。
 入手方法については、「ぱんさのサボテンランド出版/出版物の販売について」をご覧ください。

露地植えに向くサボテン・多肉植物

 前項の出版物においては、露地植えに向くサボテン・多肉植物についてページを割くことができませんでした。当サイトでは、私の露地植え環境実験園で、露地植えして確かめたサボテン・多肉植物についてまとめます。
 左のコンテンツ・メニューからご覧ください。