Dudleya ダドレヤ(ダズレヤ)属

 ダドレヤと聞くと白粉に覆われた純白の葉を思い浮かべることだと思います。北米の西海岸あたりが原産地です。
 ダドレヤ属の植物は総じて暑熱に弱く、内地のため夏季に熱帯夜が1か月以上も続く当地では、かなり作りにくい植物です。夏季に半死半生になり秋冬に復活するのを繰り返すため、正直、育つという感がありません。
 おそらく、海に近い風のよく通る暑さ寒さも穏やかな土地、あるいは高地・寒冷地では、それほど考えなくてもかなりよくできるのではないかと思います。
 その暑熱に弱いダドレヤの中で、代表種である「Dudleya brittonii」は、当地では維持が困難で栽培は諦めています。その一方、以下に記載する種類は、どうにかこうにか10年程度維持できているので、ある程度の強さはあるのでしょう。
 当地では、夏はとにかく、風通しよく涼しく遮光して休眠させて過ぎ去るのを待つしかありません。冬になれば特に何もしなくても育ちます。

ダドレア

ダドレヤ・パキフィツム
Dudleya pachyphytum
メキシコ・バハカリフォルニア州セドロス島原産

 本種は、バハカリフォルニア州西部の太平洋上のセドロス島の北西にある北向きの崖に自生しています。セドロス島自体が比較的孤立していることと、この崖がある島の北部地域がアクセスしにくい場所であったことから、1971年になって発見された植物です。
 本来、葉はもっと短いのですが、暑熱を防ぐために遮光するので写真のように長めになるのはしかたありません。自生地では、「pachyphytum」の名が示すように、丸っこい葉をみっしりと付けるのですが、それは無理ですね。


ダドレア

ダドレヤ・クルトラタ
Dudleya cultrata
メキシコ・バハカリフォルニア州原産(写真のものは、バハカリフォルニア州San Quitin原産)

 ダドレヤといえば、白粉に覆われた白い葉ですが、本種は白粉のない緑葉で、ダドレヤとしては異質な感じもします。
 ダドレヤとしては強健な方で、さほど気を使わなくても育ちます。