Cleistocactus クレイストカクツス属

凌雲閣(りょううんかく)
Cleistocactus baumannii
ボリビア~アルゼンチン原産

 鋭く細いトゲを密生する、細身の柱サボテン。
 花は筒状で花冠は開かない。おそらく自生地ではハチドリが花粉を媒介する。

白閃(はくせん)
Cleistocactus strausii
ボリビア~アルゼンチン原産

 吹雪柱と比べて刺が純白という印象。
 花は筒状で花冠は開かない。おそらく自生地ではハチドリが花粉を媒介する。
 古くからの普及種だが、対照学名がはっきりしない。古い文献では、「吹雪柱」は「Cleistocactus strausii」で、「優吹雪柱」と呼ばれるものは「Cleistocactus jujuyensis」、「白閃」は「Cleistocactus hyalacanthus」という対照学名、「Cleistocactus hyalacanthusCleistocactus jujuyensis」となったので、「白閃=優吹雪柱」ということになるのだが・・・。本当にこの「白閃」と呼ばれるものが、「Cleistocactus hyalacanthus(=Cleistocactus jujuyensis)」なのか非常に怪しい。ひょっとしたら、吹雪柱の対照学名である「Cleistocactus strausii」の方がこの「白閃」なのかもしれない(そして、吹雪柱は「Cleistocactus hyalacanthus」の方)。ここでは、「白閃=Cleistocactus strausii」とした。
 この種は、見た目は刺が柔らかそうであるが、細い鋭い刺を持ち、油断すると刺されてそのまま皮膚に残ってしまう。触らなければならない場合には注意すること。

ヒアラカンツス
吹雪柱(ふぶきちゅう)
Cleistocactus hyalacanthus
ボリビア~アルゼンチン原産

 白閃と比べて刺に色味がある。この色味は、栽培環境により強く出たりあまり出なかったり。
 花は筒状で花冠は開かない。おそらく自生地ではハチドリが花粉を媒介する。
 対照学名については、白閃を参照。本種は「Cleistocactus hyalacanthus」であるが、在来の「吹雪柱」と同じものかどうかに疑問はあるが、対象和名を「吹雪柱」とした。

金玉兎(きんぎょくと)
Cleistocactus icosagonus
Seticereus icosagonus
エクアドル南部~ペルー北部原産

 多稜に黄色の刺を持つ。刺は短く揃っているので、短髪オヤジの頭を連想させる雰囲気。直径は、40~50mm。
 昔はセチセレウス属であったが、現在はクレイストカクタス属になっている。



黄金紐(おうごんちゅう、おうごんひも)
誤称:黄金柱(おうごんちゅう)
Cleistocactus winteri
Winterocereus aureispinus
Hildewintera aureispinus
アルゼンチン~ウルグアイ原産

 英名は「Golden Rat Tail(黄金のネズミの尻尾)」。
 細身の体に多稜、黄色の刺を持つ。初めは立つが、次第に匍匐する。直径は、10~20mm程度。
 小型で見た目もよいので、寄せ植えのアクセントに入れられることがある。寄せ植えのまま育つかどうかは、微妙。
 花は、サーモンピンクで小輪、全開する。
 そもそも「黄金紐」が正しいが、「紐(ひも/ちゅう)」の読みが誤記されて「黄金柱」となって流通することが多い。
 昔はウインテロカクタス属、ヒルデウインテラ属であったが、現在はクレイストカクタス属になっている。

 この種に縁もゆかりもないまったくの別種に「黄金竜 Pilosocereus chrysostele」というサボテンがある。その「黄金竜」の別名は「黄金柱」のため、ショップによっては、この「黄金紐」を「黄金柱」と表記し、その上に、黄金竜の「Pilosocereus chrysostele」の学名を当てるという二重の間違いをしているときがある。本当の「黄金柱/黄金竜」については、「ピロソケレウス属(南米系)」を参照のこと。

クレイストカクツス・コラデモノニス
Cleistocactus colademononis
Cleistocactus winteri subs. colademononis
Hildewintera colademononis
=(誤記)Hildewinteria colademononis
ボロビアのサンタクルス区フロリダ州原産(合衆国のフロリダ州ではない)

 細身の体に多稜、長い白~黄色の刺というか毛を持つ。初めは立つが、次第に匍匐する。直径は、10~20mm程度。
 花は、サーモンピンク~朱赤色で小輪、全開する。
 昔はウインテロカクタス属、ヒルデウインテラ属であったが、現在はクレイストカクタス属になっている。

クレイストカクツス・サマイパタヌス
Cleistocactus samaipatanus
Bolivicereus samaipatanus
ボリビア、ペルー原産

 細身の体に多稜、肌は薄緑で細かい黄色の刺を持つ。初めは立つが、次第に匍匐する。直径は、20mm程度。
 花は、朱赤で小輪、花弁縁は白いのが特徴。

クレイストカクツス・ロセイフロルス
Cleistocactus roseiflorus
Akersia roseiflora
Borzicactus roseiflorus
ボリビア、ペルー原産

 細身の体に多稜、黄色の刺を密生する。初めは立つが、次第に匍匐する。直径は、20~30mm程度と、Cleistocactus winteriと比較して太い。立性が強いので吊鉢では作りにくい。
 花は、ピンクで小輪、ちょっと不思議な咲き方、平たく全開する。
 本種は、「Akersia roseiflora」と呼ばれていたもので、これはCleistocactus samaipatanusのシノニムとなった。が、花は、Cleistocactus samaipatanusと似ても似つかぬもののため、「Cleistocactus roseiflorus」と表記した。