Bottle Trees ボトルツリー

 ボトルツリー(樽状樹)は、数m~数十mの樹木で、幹が太り樽状の形状になるものの総称です。分類学上の特定の範囲の植物ではありません。
 多くの場合、乾季・雨季の比較的はっきりした熱帯地方が故郷です。多肉植物といった扱いが多いのですが、多肉植物というより熱帯樹木と考えた方がいいかもしれません。
 ボトルツリーのうち、マダガスカル原産の植物については「マダガスカル分園」をご覧ください。ここでは、それ以外の「ボトルツリー」をまとめています。
 なお、ボトルツリーは、かなりの年数を経て大きくなったときになる形状であることが多いので、その奇異な姿を数年、数十年程度育てたら見られると期待はしない方がいいでしょう。


Chorisia パンヤ科(アオイ科)コリシア属
トックリキワタ Chorisia speciosa 2021.4.9 成長期のトックリキワタ
トックリキワタ Chorisia speciosa 2022.2.13 冬季。植え替え、剪定製枝後のトックリキワタ
トックリキワタ Chorisia speciosa
2009.4.15 発芽したトックリキワタ
トックリキワタ Chorisia speciosa
沖縄海洋博公園のトックリキワタ
トックリキワタ
Chorisia speciosa
ブラジル原産

 成木は、高さ15~20mに達する樽状樹。
 ブラジル原産であるが、成木の姿が好まれて、世界中の熱帯・亜熱帯地方で植栽されている。沖縄では街路樹として植えられており、糸満市の国道沿いのトックリキワタ並木は素晴らしい。
 自生地では「酔っぱらいの木(Palo borracho パロボラッチョ)」と呼ばれるが、膨らんだ幹を酔っぱらいの「ぽて腹」になぞられたものらしい。
 花はユリを思わせるピンクのとても美しい花(種小名の「speciosa」は「美しい」の意味)だが、鉢植えではそんなに簡単には咲かない。

 発芽の最低温度は20℃くらい。種皮は硬いが、バオバブのように発芽促進処理をする必要はない。
 成長期は、屋外に出し雨ざらしでよい。ただし、それほど寒さに強い植物ではないため、冬季は、低温+土壌の多湿により根腐れすることがあるので、落葉が始まれば、水を切って過ごさせる方が良いだろう。休眠させれば、最低温度1.5℃に耐える。
 萌芽力に優れ強剪定もできるが、写真のような姿に育てるのはテクニックが必要。