Carnegiea カルネギエア属

弁慶柱(べんけいちゅう)
サァグアロ(Saguaro)
Carnegiea gigantea
アメリカ合衆国アリゾナ原産

 一般の人が西部劇やアニメの影響で、柱サボテンとしてイメージするサボテンがこれ。世界で最も背が高くなるサボテンとされ、自生地では、高さ17m程度に達する。
 非常に有名でありながら、普及していないのは、この種類特有の気難しさがある。実生や幼苗の栽培はさほどではないが、大きくなればなるほど気難しさは増す。冬季の地温がかなり重要らしく、寒がらせると、成長期なってもグズる。周年日光を十分与え、成長期は通風を図ることが必要。成長期は気温と地温の上がる盛夏で、成長が見られれば、潅水、肥料とも多く与え素直に成長させる。成長はかなりゆっくりで、目に見えてぐんぐん大きくなっていくというものではない。なぜか勘違いして露地植えしたがる人もいるようだが、上手くいく可能性はまったくない。また、大株の移植は困難。
 鉢植えの場合、定期的に鉢増しをしていかないとグズり成長がストップすることがある。昔は成長阻害物質の根からの分泌が原因だという人もいたが、微量要素の欠乏が原因だという人もいる。温室内地植えが望ましいが、鉢よりも地温が上がらないので、痛し痒しかも。似た雰囲気の武倫柱の方が栽培は易しい。
 有名種なので、植物園などでは北米から大株を持ち込んで植えたがるのであるが、自分の体力でどうにか生きているかどうかで、まともに育っているところはない。
 名古屋市立東山植物園では高さのあるサァグアロ温室を建てて立派な鉄支柱も立てて、南米から大きな株を3本持ち込んだのであるが、長い間に次々と枯れて、実生の若木が残ってるという惨憺たる状態である。過去の例では、真鶴サボテンランドが非常によく育っていたのであるが、2004年に閉園し今は既に無い。