■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

演奏会用アリア「私は行ってしまうわ、でもどこへ」

K583

作曲年代 1789年10月、ウィーン。
演奏時間 約4分。

 このアリアは、ロレンツォ・ダ・ポンテの台本、マルティン・イ・ソレール作曲のオペラ「気むずかし屋でも根は善良」の第2幕第5場の挿入曲として作曲された。このオペラは1789年1月4日にウィーンのブルク劇場で初演されたが、モーツァルトのアリアは、同年11月9日に同じくブルク劇場における上演の際に歌われた。このとき、モーツァルトは第1幕第14場の挿入アリア、K582も作曲している。これらを歌ったのは、ルチッラ役を務めたルイーズ・ヴィエヌーヴというソプラノ歌手である。このアリアは、ルチッラが夫ジョコンダの苦悩(仕事がうまくいかない悩み)を知って歌うもので、本来は二重唱で構成されていた。曲は変ホ長調、4分の4拍子、アレグロで始まり、激しい調子で進むが、後半は4分の3拍子のアンダンテ・ソステヌートになり、沈痛な気持を静かに歌っている。
〔歌詞大意〕あの人の苦しみに天が同情しなかったら、私は行ってしまう、でもどこへ。私の心に語りかけてくれるあたたは、私の歩みを導き、私の疑いも取り去ってくれる。