■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ ニ長調

K576

 1789年4月から6月にかけ、モーツァルトはベルリンにおもむいた。ベルリン宮廷で演奏を行った彼は、皇帝フリードリヒ・ヴィルヘルム2世のために、6曲の弦楽四重奏曲を、また皇女フリーデリーケ・シャルロッテ・ウルリーケのために、6曲のやさしいピアノ・ソナタを作曲するよう依頼を受けた。モーツァルトは、結局、依頼を完全に果さないで、世を去ってしまったが、それでも3曲の弦楽四重奏曲と1曲のピアノ・ソナタを残している。1789年7月に作曲されたこのニ長調の作品は、モーツァルトが皇女のために書いた唯一の作品にあたるばかりでなく、彼の作曲した最後のピアノ・ソナタでもある。やさしいものをという依頼にもかかわらず、モーツァルトは、ここで枯淡なものながら、充実し、円熟した作風をはっきりと打ちだしている。

第1楽章 アレグロ ニ長調 8分の6拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アダージョ イ長調 4分の3拍子。
第3楽章 アレグレット ニ長調 4分の2拍子。変則的なソナタ形式。