■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ 変ロ長調

K570

 この曲は、モーツァルトがなおいっそう、生計の苫しさを意識するようになった1789年の初め、2月にウィーンで作曲されたものである。しかし、この時期のモーツァルトを特徴づける澄みきった音調は、また、この作品にも、豊かにたたえられている。彼がカール・リヒノフスキー公の勧めで、ベルリン旅行に出発したのは、わずかあとの4月であった。なお、このソナタには、ヴァイオリンのパートがつけられ、ヴァイオリン・ソナタとしても、早くから知られているが、これはもちろんモーツァルト自身がしたことではなく、彼の死後おそらくはヨハン・アンドレがつけ加えたものといわれていたが、最近ではヨハン・メーデリッチェの手になるものと推定されている。

第1楽章 アレグロ 変ロ長調 4分の3拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アダージョ 変ホ長調 4分の4拍子。ロンド形式。
第3楽章 アレグレット 変ロ長調 4分の4拍子。形式は、変則的なロンド形式ともいえるエピソディックな特徴を示している。