■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ三重奏曲 ト長調

K564

 モーツァルトの最後のピアノ三重奏曲は、前の作品ハ長調K548から、3ヵ月半ほどをへだてて完成したが、これは、初めからピアノ三重奏曲として計画されたものではなく、まず、ピアノ・ソナタとして書かれたものであると長い間考えられてきた。しかし現在ではこの曲は演奏用のパート譜が先に書かれ、しかる後に総譜が浄書されたものと考えられるにいたっている。オリジナルなピアノだけの草稿の一部は、現在もベルリン国立図書館に残されている。ピアノの声部と弦の声部の協奏は巧みに行われており、モーツァルトの手法の巧みさをまざまざと示している。なぜ、このようなかたちで成立したものかははっきりとしたことはわかっていないが、プフベルクの家で演奏するためといった、以前の作品と同じような理由からと考えられる。この曲の特異な点は、緩徐楽章が主題と6つの変奏曲からなる点や、さらにフィナーレにシチリアーノ風の主題が用いられている点などに現れている。なお、1786年作のト長調の三重奏曲のフィナーレにも変奏曲が用いられている。
作曲年代 1788年10月27日、ウィーン。
基本資料の所在 自筆譜はベルリン国立図書館所蔵。
演奏時間 約15分。
楽器編成 ピアノ、ヴァイオリン、チェロ。

第1楽章 アレグロ ト長調 4分の4拍子。
第2楽章 アンダンテ ハ長調 8分の3拍子。主題と6つの変奏曲。
第3楽章 アレグレット ト長調 8分の6拍子。