■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

歌曲「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時」

K520

作曲年代 1787年5月26日、ウィーン。
演奏時間 約1分半。

 自筆楽譜に「ラントシュトラーセのゴットフリート・フォン・ジャカン氏の部屋にて」とあり、モーツァルトが親しい友人ジャカンのためにこの曲を作曲したことがわかる。歌詞は女流詩人バウムベルク(1766-1839)によるもので、自らの失恋の痛手を歌ったものとされている。詩は3節からなり、失恋、男への怨み、そして未練を歌っているが、モーツァルトはそれを激しい語り口調の通作形式で作曲し、細かく動く伴奏音形で全体の気分をさらにかき立てている。アンダンテ、ハ短調、4分の4拍子。
〔歌詞大意〕熱い幻想によって生み出されなお前たち、憂鬱の子ら(手紙)よ、滅びるがよい。お前たちは激情の炎で生まれたが、私は今、お前たちを炎に返してあげる。あの人は私のためにだけこれを書いたのではないのだから。お前たちはあとかたもなくなるが、お前たちを書いた男は、私の心のなかでなお燃え続けることだろう。