■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ三重奏曲 変ロ長調

K502

 1786年の秋にモーツァルトはロンドン旅行を計画したが、10月に生まれたばかりの三男が死に、父親にも反対され、また冬の演奏会の準備等に追われてこの計画を取りやめた。このころに書かれた作品は変奏曲(K500、K501)や協奏曲(K503)などピアノのための作品が多いが、この三重奏曲でも、ピアノのパッセージが曲全体に華やかさを添えている。アインシュタインはこの曲の第1楽章の冒頭主題と「ピアノ協奏曲」変ロ長調K450のそれとの関連を指摘するばかりでなく、第2楽章の深さ、第3楽章の強弱の交換等にもピアノ協奏曲との類似が感じられるとしている。しかし、こうした協奏曲的な面ばかりではなく、第3楽章では主題が大規模に展開され、室内楽的側面ももつ作品である。
作曲の時期 1786年11月18日、ウィーンで作曲された。
初演 不明。
基本資料の所在 自筆譜は戦前はベルリン国立図書館にあったが、戦後は紛失したままである。筆写譜はブリュンのモラヴスケ博物館にある。
出版 〔初版〕アルタリア(ウィーン、1788年)よりK542K548とともに出版された。〔全集〕新モーツァルト全集第8篇、第22作品群、第2巻。
演奏時間 18分30秒(ハルモニア・ムンディULX 3 105-H-8-H)。
楽器編成 ヴァイオリン、チェロ、ピアノ。

第1楽章 アレグロ 変ロ長調 4分の4拍子。三部分形式。
第2楽章 ラルゲット 変ホ長調 4分の3拍子。比較的自由な形式だが、調性から、また冒頭主題の出現に基づいて全体は3部分に分けられる。
第3楽章 アレグレット 変ロ長調 2分の2拍子。