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弦楽四重奏曲 第18番 イ長調

K464

 ベートーヴェンはとりわけこの四重奏曲を愛しており、「作品18」の作曲に先立って研究のために筆写したフィナーレの手稿楽譜が遺されている。ソナタ形式による両端楽章が第1主題の圧倒的な支配で書かれているので、そうした点が構成主義者べートーヴェンに感銘を与えたのであろう。しかしながら、精緻な対位法によって織り上げられているにもかかわらず、堅苦しさは微塵もなく、むしろ、モーツァルトのイ長調に特有の夢想的に漂うかのような繊細なニュアンスに彩られた作品である。その他の特徴としては、楽章間の主題の関連が耳できいても意識されるほど強いこと、同主関係と3度近親関係の転調が大幅にとり入れられていること、第3楽章に雄大な性格変奏曲がおかれていることなどをあげることができる。
作曲年代 1785年1月10日、(「自作品目録」による)。
基本資料の所在 自筆譜はロンドンの大英図書館所蔵。なお、前述のべートヴェンによる筆写譜はストックホルム外国音楽研究所所蔵。
出版 〔初版〕1785年、ウィーンのアルタリア社より「作品10の5」として。〔全集〕旧モーツァルト全集第14篇、第18番。新モーツァルト全集第8篇、第20作品群、第1部門、第1巻。
演奏時間 約33分。

第1楽章 アレグロ イ長調 4分の3拍子。ソナタ形式。
第2楽章 メヌエット イ長調 4分の3拍子。
第3楽章 アンダンテ ニ長調 4分の2拍子。変奏曲形式。
第4楽章 アレグロ・ノン・トロッポ イ長調 2分の2拍子。ソナタ形式。