■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ ハ短調

K457

 ウィーンに移ってからのモーツァルトは、そのピアノ奏者としての活動が著しかったにもかかわらず、ピアノ・ソナタの作品をあまり多くは残していない。ピアノ協奏曲の分野での作曲活動に比べるとむしろ奇異に感じられるほどである。このハ短調作品は、彼のウィーン時代の第1作であり、1784年10月14日に完成したが、ハ短調という調号をとり、異常に緊張した情調をもつとともに、構成的にもすきがなく充実しており、そのため、以前の「イ長調」K331(300i)「イ短調」K310(300d)とともに最もよく知られている。モーツァルトは、この曲を、ウィーンでのピアノの弟子で、きわめて親密な間柄だったテレーゼ・フォン・トラットナーのために捧げているが、作曲の翌年の1785年、ウィーンのアルタリアから出版 したさい、1785年5月20日作曲の「幻想曲ハ短調」K475を曲頭につけた。そのため、両曲が続けて演奏されることも多い。

第1楽章 アレグロ(版刻譜ではモルト・アレグロ) ハ短調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アダージョ 変ホ長調 4分の4拍子。ロンド形式。
第3楽章 モルト・アレグロ(版刻譜ではアレグロ・アッサイ) ハ短調 4分の3拍子。変則的なロンド・ソナタ形式。