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ゲルックの『メッカの巡礼』の「愚かな民が思うには」による10の変奏曲 ト長調

K455

 成立に関しては前曲を参照。元来『メッカの巡礼』と題されていたグルックのオベラ『意外なめぐり合い』はドイツ語訳の新演出で1780年6月にもウィーンで上演された。この変奏主題はそのなかで歌われるブッフォ調のバスのアリア「愚かな民が思うには」を、調はそのままで少し縮め、速度標語をアンダンテからアレグレットに変えて作り上げたものである。なお、この曲の自筆譜に関しては、1783年年3月23日の日付をもつ演奏会当日用のスケッチ(a)と、1784年8月25日の日付をもつ完成した楽譜(b)の2種があるが、後者の日付はモーツァルトが、1784年2月9日完成のK449のピアノ協奏曲以後自分で記録をつけ始めた作品目録に書き込まれてあるものたので、ここでも作曲時期はそれに準じておく。
作曲の時期 1784年8月25日、ウィーンにて。
基本資料の所在 〔自筆楽譜〕(a)ベルリン国立図書館、(b)バーゼル、個人蔵。
出版 〔初版〕1785年、ウィーン、トッリチェッラ社。〔全集〕新モーツァルト全集第9篇、第26作品群、〔実用楽譜〕ヘンレ版、ウィーン原典版「ピアノのための変奏曲」2、音楽之友社。
演奏時間 約13分半。

ト長調、2分の2拍子の主題は中間でイ短調に転ずる3部形式。