■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ協奏曲 第16番 ニ長調

K451

 「変ロ長調」K450の1週間後に書かれたこの協奏曲は、「大協奏曲」の名に一層ふさわしい雄大なスケールを備えている。フルートが全楽章にわたって使用されているばかりでたく、2本のトランペットとティンパニが加わったことによって、このジャンルには珍しいほどの交響的な壮麗さが打ち出された。このためアインシュタインは、「オブリガート・オーケストラを伴うピアノ協奏曲とも、オブリガート・ピアノを伴う交響曲ともよびうる作品」とこれを評している。また、フロトホイス(1914-)は、オペラの世界、とくに「イドメネオ」の影響がこの作品に著しいとした。いずれにせよ、この協奏曲は、.求心的なきめの細かさにおいては「変ロ長調」協奏曲に一歩を譲るとしても、ニ長調という調性ならではの外向的華麗さと明快な形式感において、独自の魅力をもっているといえよう。(この両曲、および「ト長調」とのモーツァルト自身の比較に関しては、K450の項参照。)
作曲の経過 モーツァルトがピアニストとして多忙な活動を続けていたさなかの1784年3月22日に、自らの演奏のために完成された(K449参照)。
初演 トラットナーホーフにおける予約制の私設演奏会(K449の項参照)の第3回、1784年3月22日に行われた。ピアノ独奏はモーツァルト自身。
基本資料の所在 ベルリン国立図書館(自筆譜)。
出版 〔初版〕パリのボワイエ?、1785年。〔全集〕新モーツァルト全集第5篇、第15作品群、第4巻。
演奏時間 約24分(ヘブラー独奏のフィリップス盤による)。
楽器編成 独奏ピアノ、フルート、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ、弦5部。

第1楽章 アレグロ・アッサイ ニ長調 4分の4拍子。協奏風ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ ト長調 2分の2拍子。ロンド形式。
第3楽章 ロンド アレグロ・モルト ニ長調 4分の2拍子。