■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ ニ長調 (2台用)

K448(375a)

 モーツァルトは、2台のピアノのためのソナタを1曲だけ作曲した。1781年11月に作曲されたと思われるこの「ニ長調」K448(375a)の作品である。モーツァルトが、1781年11月24日、父レオポルトにあてた手紙によると、この曲は、優れたピアノの弟子だったヨゼファ・アゥエルンハンマーとふたりで弾くために作曲され、手紙の日付けの前日、この女弟子の邸で開かれた演奏会で披露され、評判をとったという、なお、この曲は、モーツァルトの演奏家としての活動がひじょうに活発だった1784年の6月13日にも、同じくピアノの弟子だったバルバラ・フォン・プロイヤーとともに、彼女の邸で行われ、有名なオペラ作曲家パイジェッロ(1740-1816)も列席していた演奏会でも取り上げられた。2台のピアノのためのソナタは、独奏ピアノのための作品に比べると、特定のピアニストを予想し、特別な機会を目当てに作られるという傾向が強く、特殊な性格をもつため、作曲家もあまり取り上げることをしない。この曲も、弟子との共演という、いわば特別なきっかけにより生み出されたものであるが、それだけにまた、反面、華やかで、きらびやかな音色によって特徴づけられている。

第1楽章 アレグロ・コン・スピーリト ニ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ ト長調 4分の3拍子。ソナタ形式。
第3楽章 モルト・アレグロ ニ長調 4分の2拍子。ロンド形式。