■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

二重奏曲 ト長調

K423

 1783年の初めから、モーツァルトはウィーンでの新生活に入っていたが、この年の夏、妻のコンスタンツェとともにザルツブルクの父と姉を訪れている。結婚のときにもめた経緯もあったので、妻コンスタンツェと父、姉の間のしこりを取り除くための里帰りだった。この計画はモーツァルトが期待したほどうまくはいかなかったが、旅行のもうひとつの目的、新しいミサをザルツブルクで演奏するということは実現した。K427(417a)の「ハ短調ミサ」が10月26日に聖ぺーター教会で演奏されたのである。コンスタンツェは、このとき2つのソプラノのうちの1つを受けもっている。K423、K424の二重奏はいずれもこのザルツブルク滞在中に書かれたもので、かなり高度な演奏技巧が要求され、また形式や書法もしっかりまとまっており、渋い味わいがある。
作曲の経過 モーツァルトがザルツブルクに滞在中、かつての同僚、ミヒャエル・ハイドンは大司教のコロレドから二重奏曲をつくるよう依頼されていた。しかし、ハイドンは当時病気でこれを果せなかったので、モーツァルトが代りに、このK423、K424を作曲して急場を救ってやったのだと、ハイドンの弟子が報告している。つまり、この曲が作曲されたのは1783年7月から10月までの間である。ハイドンはこれらの作品を高く評価し、この総譜を生涯宝物として大切に保存していたといわれている。この作品はつまり、1783年7月から10月の間にザルツブルクで作曲されたことになる。
初演 不明。
基本資料の所在 自筆譜はパリ在住のロベール・オーウェン・レーマン氏所蔵。筆写譜はウィーン国立図書館、ベルリン国立図書館。
出版 〔初版〕アルタリアから、ウィーンとマインツで作品25として1792年に出版された。〔全集〕新モーツァルト全集第8篇、第21作品群。
演奏時間 K423は14分。K424は19分。(スプラフォン OW-7534)
楽器編成 ヴァイオリン、ヴィオラ。

第1楽章 アレグロ ト長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アダージョ ハ長調 4分の3拍子。自由な形式。
第3楽章 ロンドー アレグロ ト長調 2分の2拍子。ロンド形式だが、エピソードの部分が非常に充実しており、1つのエピソードがいくつかの部分にわけられるものもある。