■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調

K421(417b)

 4楽章のうちの3楽章までがニ短調に統一され、へ長調の緩徐楽章もけっして明るくはない。前作K387の躍動的な生命感情の対極というべき深い諦念が全楽章を支配しており、モーツァルトの短調作品のなかでも最もペシミスティックな内容をもつ1曲に数えられている。このころのハイドンは、情熱的ではあるが暗くない短調に転じており、こうした点にも2人の個性の鋭い対照をみることができよう。
作曲年代 自筆譜には日付が記入されていないが、未完成に終った「ミサ曲」ハ短調K427に続けて、1783年6月中頃に書かれたと推定される。後年コンスタンツェは、この作品が第一子ライムント・レオポルトのお産のころに作曲され、とりわけ第3楽章 メヌエットは6月17日の出産の最中に書かれたと語っている。
基本資料の所在 自筆譜はロンドンの大英図書館所蔵。
出版 〔初版〕1785年、ウィーンのアルタリア社より「作品10の2」として。〔全集〕旧モーツァルト全集第14篇、第15番。 新モーツァルト全集第8篇、第20作品群、第1部門、第2巻。
演奏時間 約27分。

第1楽章 アレグロ・モデラート ニ短調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ ヘ長調 8分の6拍子。単一の主要主題が支配する3部形式で書かれており、ロマンティックな憧れと悲哀の交錯するうちに進められる。
第3楽章 メヌエット アレグレット ニ短調 4分の3拍子。第1楽章に匹敵する重量感をそなえたメヌエット楽章。
第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ ニ短調 8分の6拍子。変奏曲形式。