■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ホルン五重奏曲 変ホ長調

K407(386c)

 この曲は、1782年の暮に書かれたホルンのための協奏曲「ニ長調」K412/514(386b)のすぐあとに、ザルツブルク宮廷のホルン奏者ロイトゲープ(ライドゲープ ?-1811)のために作曲されたと考えられる。彼のためには1781年から1786年の間に4曲の協奏曲と、ホルンのための協奏曲ロンドを作曲している。モーツァルトはウィーンに定住するようになってからロイトゲープととくに親しい交際をするようになり、モーツァルトのパトロンであったばかりでなく、冗談の相手でもあったようで、そのことは協奏曲の随所に書かれている、意味のはっきりしないふざけた単語の羅列から察せられる。
 この曲は、協奏的に、また独奏楽器として扱われるホルン声部と、やや副次的な伴奏の役割をになう弦楽器の扱い方からして、オーケストラ付のホルン協奏曲の系列に入るものといえよう。
 なお、アルタリアは1799年末に、この曲のホルンをチェロに替え、また第3楽章として「8つの管楽器のためのセレナーデ」変ホ長調K375の第2メヌエットの編曲を加えた版を弦楽五重奏曲「第8番」として出版したが、この版についてコンスタンツェはモーツァルトの原曲の形ではないことを強調している。
作曲の経過 成立時期を示す資料は残されていないが、K412(386b)のすぐあと、1782年の終りにウィーンで作曲されたと推定される。
基本資料の所在 自筆楽譜は不明である。筆写譜はベルリン国立図書館所蔵。
出版 〔初版〕1796年頃、ライプツィヒのシュミット・ウント・ラウより出版番号18として出された。〔全集〕旧モーツァルト全集第13篇、第3番。新モーツァルト全集第8篇、第19作品群、第2巻。
演奏時間 約17分。
楽器編成 ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ2、チェロ。

第1楽章 アレグロ 変ホ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ 変ロ長調 8分の3拍子。
第3楽章 ロンド アレグロ 変ホ長調 4分の2拍子。楽しいロンドの終楽章。