■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

弦楽四重奏曲 第14番 ト長調

K387

 すでにこの第1作で、モーツァルトはハイドンの技術的な側面を完全に消化しており、ハイドンをして「まったくすぐれた作曲の技術」といわしめたモーツァルトの溢れるばかりの形式上の想像力は、4つの楽章に因襲的な表現を払拭しきった個性的な相貌、そして全体の揺ぎない調和を与えている。内容的には、1787年の一対の弦楽五重奏曲「ハ長調」K515「ト短調」K516の場合と同様、半年後に書かれた「ニ短調」K421と対をなしており、肯定的な生命感情が、成熟した男性モーツァルトの厳しい精神的緊張を漲らせつつ力強く表現されている。
作曲年代 1782年12月31日、ウィーンにて完成(自筆譜への記入)。
基本資料の所在 自筆譜はロンドンの大英図書館所蔵。
出版 〔初版〕1785年、ウィーンのアルタリアより「作品10の1」として。〔全集〕旧モーツァルト全集第14篇、第14番。新モーツァルト全集第8篇、第20作品群、第1部門、第2巻。
演奏時間 約29分。

第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ ト長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 メヌエット アレグロ ト長調 4分の3拍子。
第3楽章 アンダンテ・カンタービレ ハ長調 4分の3拍子。展開部を省いたソナタ形式。
第4楽章 モルト・アレグロ ト長調 2分の2拍子。ソナタ形式。「ジュピター交響曲」に先立ってフーガとソナタ形式の総合を果した特筆すべきフィナーレ。