■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調

K378(317d)

 マンハイム・パリ旅行(1777年9月−1779年1月)から帰ってきたモーツァルトは、その後の約2年間をザルツブルクで過すことになる。ハースは、この作品は1781年にウィーンで、ブルネッティのために作曲されたと推定しているが、ケッヒェル第6版ではこの旅行の直後としている。様式的にみても、1781年にウィーンで書かれたソナタに比べ、流れるような楽想の豊かさ、第1主題と第2主題の対照性などは、むしろ、パリ時代のそれである。とくに、同じ調性で書かれたK333(315c)のピアノ・ソナタとは全体の雰囲気が似ており、端正で流麗な美しさは、数あるソナタのなかでも傑出している。むろん、年代設定には、より詳しい考察が必要なのだが、ここではケッヒェルの第6版に従っておく。
作曲の時期 1779年の初めに、ザルツブルクで作曲された。
初演 不明。しかし、ハースの説が正しければ、1781年の4月ということになる。
基本資料の所在 自筆譜はベルリン国立図書館にあったが、終戦後に紛失。筆写譜はウィーン国立図書館。
出版 〔初版〕1781年、11月にウィーンのアルタリアより出版された。ソナタ集の第4番。〔全集〕新モーツァルト全集第8篇、第23作品群、第1巻。
演奏時間 14分50秒(フィリップス X-5540)。
楽器編成 ヴァイオリンとクラヴサン、またはピアノ。

第1楽章 アレグロ・モデラート 変ロ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンティーノ・ソステヌート・カンタービレ 変ホ長調 4分の4拍子。全体は3部分、つまり、A-B-A'の形式である。
第3楽章 ロンドー アレグロ 変ロ長調 8分の3拍子。ロンド主題が主調で幾度も回帰する形式をロンド形式とするならば、この楽章もロンド形式と呼べる。