■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ヴァイオリン・ソナタ へ長調

K377(374e)

 K376(374d)と同様、この作品の第1楽章の第2主題は、いわゆるうたえる主題ではない。下降音形でスタッカートの冒頭主題とよく似た、いわば同類の主題を用いている。これはピアノとヴァイオリンの絶えず動き回る三連符によって、退屈しないように工夫されてはいる。しかし、もっとも特徴的なのは第2楽章である。平行短調の第2楽章は主題と6つの変奏曲でできている。この最後のシチリアーノはニ短調という調性のせいばかりでなく、確かにK421(417b)の弦楽四重奏のフィナーレの旋律と似ている。また、第1、第2楽章ではピアノが右手ばかりでなく、左手でも急速なパッセージを弾くなど、華やかな効果をあげるようになっている。
作曲の時期 1781年の夏にウィーンで作曲したと推定される。
初演 不明。
基本資料の所在 自筆譜はロンドンのシュテファン・ツヴァイクの遺品の中におさめられている。筆写譜はベルリン国立図書館。
出版 〔初版〕アルタリアより出されたソナタ集(K376=K374dの項参照)の第3番。〔全集〕新モーツァルト全集第8篇、第23作品群、第2巻。
演奏時間 19分6秒(フィリップス X-5584)。
楽器編成 ヴァイオリンとクラヴサンまたはピアノ。

第1楽章 アレグロ へ長調 2分の2拍子。ソナタ形式。
第2楽章 (アンダンテ) ニ短調 4分の2拍子。主題と6つの変奏曲。
第3楽章 テンポ・ディ・メヌエット ヘ長調 4分の3拍子。変ロ長調のトリオをもつメヌエット。