■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ヴァイオリン・ソナタ へ長調

K376(374d)

 1781年に故郷に決然と別れを告げ、ウィーンで独立した生計を営むようになったモーツァルトにとって、もっとも確実な収入の道は自作自演による予約演奏会を開くこと、しかも幼児よりもっとも得意とした楽器、ピアノを中心とした作品を発表することであった。こうしてウィーンで過した10年間にモーツァルトは優れたピアノ曲を数多く生み出しているが、そうした合間にも、ヴァイオリン・ソナタをいくつか作曲している。1781年に書かれた作品は以前の様式を受け継いではいるが、2楽章構成の曲はK379のみとなっている。
作曲の時期 1781年夏にウィーンで作曲された。
初演 不明。
基本資料の所在 自筆譜はデン・ハーグのルーチウス男爵所有。
出版 〔初版〕ウィーンのアルタリア社から「ヴァイオリンの伴奏をもつクラヴサン、またはピアノのための6つのソナタ。ヨゼフィーネ・フォン・アウエルンハンマー嬢に献呈」として1781年11月に出版された。この曲のほかにはK296377378379380が含まれている。〔全集〕新モーツァルト全集第8篇、第23作品群、第2巻。
演奏時間 14分45秒(フィリップス X-5540)。
楽器編成 ヴァイオリンとクラヴサンまたはピアノ。

第1楽章 アレグロ ヘ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ 変ロ長調 4分の3拍子。3部分からなる。
第3楽章 ロンド アレグレット・グラツィオーソ ヘ長調 2分の2拍子。主題が反復されるときに、必ずしも完全な形で出てこないロンド形式。