■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ 変ロ長調

K333(315c)

 この「変ロ長調」K333(315c)の作品は、1778年の晩安、パリで作曲されたものといわれてきた。しかし、成立の事情や時期については、はっきりしたことがわかっていない。サン=フォアは、この曲が1779年、モーツァルトがザルツブルクに帰った直後、1月から.2月の間に書かれたものと推定している。この曲が、アルタリアから出版された3曲のうちに入っていないで、同じウィーンながら別の出版 社クリストフ・トッリチェッラから「デュルニッツ・ソナタ」などとともに刊行されたこと、さらに曲調がいっそう歌うようなものになり、かつ、全体が長大になっていることが、ザルツブルク帰着直後のほかの作品のスタイルによく似たものであることなどが、その理由に挙げられている。しかし、最近の自筆譜研究からは、K330(300h)K331(300i)K332(300k)の3曲のソナタ(1780年夏以降の作)やK265(300e)、K353(300f)の変奏曲(1781年から82年、ウィーン)よりもさらにあと、およそ1783年年から1784年頃に作曲されたと結論されている。したがって、トッリチェッラから出版されたのは、作曲されてから間もないころということになる。

第1楽章 アレグロ 変ロ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ・カンタービレ 変ホ長調 4分の3拍子。ソナタ形式。
第3楽章 アレグレット・グラッィオーソ 変ロ長調 4分の4拍子。ロンド・ソナタ形式。