■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ ニ長調

K311(284c)

 このニ長調K311(284c)の作品は、モーツァルトが、マンハイム・パリ旅行中に作曲したピアノ・ソナタのグループに含まれる。彼はこの曲を、「ハ長調」K309および「イ短調」K310とともに、パリで出版 したが、完成されたのは、1777年11月初めごろ、マンハイムに滞在中と考えられる。モーツァルトは、1774年から翌年にかけ、、ミュンヘンに旅行しているが、この時、フォン・フライジンゲン家の2人の令嬢と知りあい、妹娘のヨゼファからピアノ・ソナタを依頼された。彼はさっそく作曲し始めたが、そのまま中絶してしまっていたのを、3年ほどあとのマンハイム・パリ旅行のおりに仕上げて、近いうちに送る予定だとある手紙のなかに記している(1777年11月5日付ベーズレあて)。サン=フォアは、その曲がこのニ長調作品だと推定している。それは、この曲が3曲中最もザルツブルクのスタイルが濃く、デュルニッツ・ソナタに近い関係にあると考えたためである。したがってサン=フォアは、この作品をグループの最初に置いている。

第1楽章 アレグロ・コン・スピーリト ニ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ・コン・エスプレッシオーネ ト長調 4分の2拍子。ロンド形式。この楽章は、また、展開部を欠き、第1主題をコーダとしたソナタ形式とも考えられる。
第3楽章 ロンドー アレグロ ニ長調 8分の6拍子。ロンド・ソナタ形式。