■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ ハ長調

K309(284b)

 モーツァルトは、1775年の、いわゆる第1のグループのピアノ・ソナタのあと、約2年半の間をおいて、また数曲のソナタ作品を書いた。それはちょうど、モーツァルトが、母を伴ってマンハイム・パリ旅行を行った時期にあたっ、ている。モーツァルト、とりわけ若いころのモーツァルトは、そのとき、そのときに接触した音楽のスタイルを敏感に感じとり、それを自作品のなかにうつしだしていることが多いが、この一連のピアノ・ソナタも、当時、モーツァルトが、マンハイムやパリで受けた生々しい印象を明らかに反映している。
 このグループの第1曲にあたるハ長調の作品K309(284b)は、モーツァルトがマンハイムに着いたころ書き始められ、10日ほどあとの11月8日に完成された。モーツァルト自身の手紙によれば、このソナタは、彼が当時親しく出入りしていたマンハイムの音楽家クリスティアン・カンナビヒ(1731-98)の娘ローザのために作曲されたものである。とくに緩徐楽章について、彼は「ローザ嬢の性格によって」作曲しようとしている旨語っている。一般的にもすでにマンハイムの音楽のスタイルが生き生きとうつし出されている。 作曲の時期 おそらくは1777年11月8日。

第1楽章 アレグロ・コン・スピーリト ハ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ・ウン・ポーコ・アダージョ ヘ長調 4分の3拍子。3部形式。
第3楽章 ロンドー アレグレット・グラツィオーソ ハ長調 4分の2拍子。ロンド形式。