■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ヴァイオリン・ソナタ ハ長調

K296

 1777年12月から翌年3月までモーツァルトはマンハイムの宮中顧問官、ゼラリウスの家に母とともに寄宿するが、このとき15歳になる彼の娘、テレーゼ・ピエロンにピアノを教えている。マンハイム楽派の代表的作曲家、カンナビヒの家で開かれるアカデミーでモーツァルトの作品が演奏されるときには、彼女も一役買っている。モーツァルトがマンハイムを去る直前に、このピエロン嬢のために書いたのがK296である。「ヴァイオリン助奏付ピアノ・ソナタ」の名が示すとおり、ピアノが優位に立つが、第2楽章 や第3楽章の主題は、背後にヴァイオリンの柔らかでのびる音があってはじめて生きてくる楽想である。第1楽章の明るいがいくぶん機械的な動きに比して、第2楽章では旋律のふくらみが確かにアリアを思わせる。
作曲の時期 1778年3月11日にマンハイムで、ピエロン嬢のために作曲。ただし、出版の際の献呈はフォン・アウエルンハンマー嬢に。
初演 不明。
基本資料の所在 自筆譜はニューヨーク公立図書館(「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのソナタ、1778年3月11日、マンハイムにて。テレーゼ〔ピエロン〕嬢のために」と記されている)。筆写譜はベルリン国立図書館。
出版 〔初版〕1781年11月、ウィーンのアルタリアより「作品2の2」として。ヨゼフィーヌ・フォン・アウエルンハンマー嬢に献呈。〔全集〕新モーツァルト全集第8篇、第23作品群、第1巻。
演奏時聞 16分37秒(フィリップス X-5583)。
楽器編成 クラヴサンまたはピアノ、ヴァイオリン。

第1楽章 ハ長調 4分の4拍子。
第2楽章 アンダンテ・ソステヌート ヘ長調 4分の3拍子。A-B-A'の三部分形式。
第3楽章 ロンドー アレグロ ハ長調 4分の4拍子。ロンド形式。