■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ピアノ・ソナタ ハ長調

K279(189d)

 モーツァルトは、1773年の春、第3回目のイタリア旅行を終え、さらに夏から秋にかけてウィーンを訪れているが、翌年の春から、彼の音楽は、いわゆるギャラントなスタイルをとるようになる。1774年から75年にかけて作曲されたといわれる6曲のピアノ・ソナタも、このような流れのなかで生み出されたものである。このハ長調の作品K279(189d)は、その第1曲にあたり、1774年の夏ごろ作曲されたものと推定されていた。しかし最近の自筆稿研究からは6曲とも1775年初めのミュンヘン滞在中に書かれたものであろうと考えられるに至っている。さらに2年半あとのマンハイム・パリ旅行のときにクラヴィーア奏者としての、モーツァルトのレパートリーとなったのもこれらのソナタであった。
 この作品は、楽想が短いことや、装飾音が豊かな点などが目立っているが、これはいわゆる〈ギャラント・スタイル〉の主要な特徴であろう。そうしたスタイルをあらわにして、どの楽章もきわめて軽やかな調子をもっている。

第1楽章 アレグロ ハ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ ヘ長調 4分の3拍子。ソナタ形式。
第3楽章 アレグロ ハ長調 4分の2拍子。ソナタ形式。