■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ドゥゼードの「リゾンは森で眠っていた」による9つの変奏曲 ハ長調

K264(315d)

 パリで欝かれた最後の変奏曲。再びゲオルギの言葉を引用すると、パリ変奏曲のうちで最も味気ないのが「ランドール」なら、いちばん名人伸」A的たのがこの「リゾン」ということになる。ともかく、この前に書かれたK353(300f)「きれいなフランソワズ」やこの曲などのつくり方から、モーツァルトが当時、ピアノ奏者としてどういった技巧や演奏形態を必要と考え、自らに課していたかがうかがわれよう。
 主題は、おそらく1778年8月にパリのイタリア座で再演されたニコラ・ドゥゼード作曲の喜歌劇『ジュリー』のなかのアリエット「リゾンは森で眠っていた」に基づく。モーツァルトはこの上演に実際に接してこの旋律を知ったのであろうと推定されるので、作曲は1778年8月か9月、あるいはザルツブルクに帰郷後という可能性もある。
作曲の時期 1778年晩夏、おそらくパリにて。
基本資料の所在 〔自筆楽譜〕不明。
出版 〔初版〕1786年、ウィーン、アルタリア社。〔全集〕新モーツァルト全集第9篇、第26作品群。〔実用楽譜〕ヘンレ版、ウィーン原典版「ピアノのための変奏曲」2、音楽之友社。
演奏時間 約15分30秒。

主題はハ長調、4分の2拍子、全32小節に及ぶ長大なもの。原曲のイ長調からハ長調に移っているが、他はほとんど変更なくそのまま使われている。