■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ヴァイオリンのための中間楽章アダージョ ホ長調

K261

 1775年の作であるヴァイオリン協奏曲「イ長調」K219の第2楽章の代用と考えられている楽曲。もともとこの「イ長調協奏曲」は、ザルツブルク宮廷楽団の楽長であったアントーニオ・ブルネッティのために書かれたのだが、その中間楽章アダージョが、あまり技巧の達者でないブルネッティにはいささか荷が勝ちすぎると思われたため、急拠新しくこのアダージョを仕上げて入れ替えたものらしい。ともにアダージョ、ホ長調をとるが、このK261では、協奏曲全楽章を通じて使われていたオーボエがフルートに替えられている。当時の大方の奏者はフルートとオーボエをともに同じようにこなしたうえ、第2楽章にのみフルートを用いるという方法はこの曲に限らず、いくつかの交響曲やヴァイオリン協奏曲「ト長調」K216フルート協奏曲「ト長調」K313(285c)などにも見られた。
作曲の時期 おそらく1776年暮、ザルツブルクにて。
基本資料の所在 〔自筆楽譜〕ベルリン国立図書館。
出版 〔初版〕1801年、オッフェンバッハ・アンドレ社。[全集〕旧モーツァルト全集第12巻。
演奏時間 約6分半。
楽器編成 独奏ヴァイオリン、フルート2、ホルン2、弦5部。

 アダージョ、ホ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。