■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ディヴェルティメント ニ長調

K205(167A)

 モーツァルトの管弦混合編成のディヴェルティメントでは、弦楽器群は普通四重奏の形をとる。実際、7曲中6曲までがヴァイオリン2つ、ヴィオラ、バス各々1つずつの編成であり、このK205の三重奏形態は例外的なものである。K290がK205に属すると断定できるのも、この楽器編成に負うところが大きい。
 全体は5楽章よりなり、これも混合編成の通常の大形式、6楽章制からはずれている。第1楽章には導入のラルゴがつくがこの旋律のつくり方、第3楽章の室内楽的な書法は特筆に価する。個々の動機や音の選び方がハイドンを想起させなくもないが、これはむしろ当時の趣味、特にウィーン風の趣味が反映されていると考えるべきだろう。
作曲の経過 諸説があるが、具体的なものとしては、メスマー邸の庭園音楽会(1773年8月18日)で奏されたとするもの〔オーレル(音楽学者 1889-1967)〕、アンドレッター夫人のために作曲されたとするもの〔ベア(音楽学者)〕がある。ケッヒェル第6版では、このベアの推測に基づいて、作曲の時期と場所を1773年7月14日のウィーンヘの旅以前にザルツブルクで作曲された可能性が高いとしている。
初演 1773年8月18日、ウィーンのメスマー博土の庭園音楽会(オーレル)。
基本資料の所在 自筆譜(ベルリン国立図書館、プロイセン文化財)。筆写譜(ベルリン国立図書館 Mus.Ms.15316)。
出版 旧モーツァルト全集第9篇、第21番。新モーツァルト全集第4篇、第13作品群、第2巻。
演奏時間 22分25秒(フィリップス SFX-8700)。
楽器編成 ヴァイオリン、ヴィオラ、ファゴット、バス・ホルン2。

第1楽章 ラルゴ ニ長調 4分の4拍子。アレグロ 4分の4拍子。
第2楽章 メヌエット ニ長調 4分の3拍子。A-B-Aの三部分形式のメヌエット。
第3楽章 アダージョ イ長調 4分の4拍子。弦楽三重奏のアダージョ。
第4楽章 メヌエット ニ長調 4分の3拍子。メヌエットもトリオも三部分形式である。
第5楽章 フィナーレ プレスト ニ長調 4分の2拍子。4つのクプレをもつロンドー。