■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

セレナーデ 第4番 ニ長調

K203(189b)

 K185(167a)に続いて初期のニ長調セレナーデ群の第2番。第3回のウィーン旅行から帰郷したモーツァルトは、緊張した内容の音楽から離れて特定の機会のためや、あるいはそうでない娯楽音楽を多く作曲するようになったがおそらくこの曲もそうした時期に書かれたものと思われる。モーツァルトの娯楽音楽はほとんどの場合、ある決った機会のために作曲されているが、この作品は〈フィナール・ムジーク〉(K185(167a)参照)として注文された可能性はあるものの詳細は判明していない。K185(167a)からK239に至るセレナーデではコンチェルタントな要素を強く前面に出した作風が注目されるが、この場合もそれが顕著にみられる。なお室内での「シンフォニア」として奏される場合には、第1、第6、第7、第8楽章が抜粋されたと考えられる(K204(213a)参照)。
作曲の時期 セレナーデに付随する行進曲は1774年夏。セレナーデはおそらく1774年8月、ザルツブルクにて。
基本資料の所在 「行進曲」はパリ、フランス研究所図書館。「セレナーデ」はスイス、個人所蔵。いずれも自筆楽譜。
出版 新モーツァルト全集第4篇、第12作品群、第3巻。
演奏時間 44分。
楽器編成 オーボエ(フルート)2、ファゴット、ホルン2、トランペット2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、バス。

 セレナーデは第3、第5、第7楽章にメヌエットを置く基本的な8楽章構成。第2楽章がメディアンテ、第3楽章はその属調、第4楽章がメディアンテ、第6楽章が下属調をとる。メディアンテの楽章が2つあるが、その他第3楽章メヌエットのトリオもメディアンテ調であり、これらの楽章にはヴァイオリン・ソロが加わっている。
第1楽章 アンダンテ・マエストーソ アレグロ・アッサイ ニ長調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ 変ロ長調 4分の3拍子。ヴァイオリン・コンチェルト風3部形式。
第3楽章 メヌエット ヘ長調、トリオ 変ロ長調、4分の3拍子。
第4楽章 アレグロ 変ロ長調 4分の4拍子。コンチェルト・ソナタ形式。終楽章と共に最も充実した楽章。
第5楽章 メヌエット ニ長調、トリオ イ長調、4分の3拍子。
第6楽章 アンダンテ ト長調 4分の2拍子。弱音器付のヴァイオリンとオーボエのかけ合いが美しい。短い展開部分を含む二部分形式。
第7楽章 メヌエット ニ長調、トリオ ニ短調、4分の3拍子。管のファンファーレ風の響きを特徴とする。
第8楽章 プレスティッシモ ニ長調 4分の2拍子。ソナタ形式。