■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

セレナーデ 第3番 ニ長調

K185(167a)

 宮廷音楽家の職を求めてウィーンに滞在していた頃つくられた最初期のセレナーデ。この作品は俗に「アントレッター・セレナーデ」と呼ばれているが、これは注文主の名に由来していて、おそらくザルツブルクのユダス・タッデウス・フォン・アントレッターが〈フィナール・ムジーク〉として注文したものとされている。ザルツブルクでは最終試験を終えた哲学部の論理学と物理学専攻の学生がミラベル宮殿や大学で教授達にセレナーデ(通俗フィナール・ムジーク)を奏するのが慣例となっていたのである。この曲の演奏の場合、行進曲K189(167b)がつけ加えられたと考えられる。
作曲年代 1773年6月、ウィーンで着手。遅くとも8月上旬完成。
初演 1773年8月上旬、ザルツブルク。
基本資料の所在 自筆譜は個人所蔵。
出版 新モーツァルト全集第4篇、第12作品群、第2巻。
演奏時間 39分。
楽器編成 オーボエ(フルート)2、ホルン2、トランペット2、ヴァイオリン2部、ヴィオラ、バス。

 セレーナードはメヌエット2つの7楽章構成。第2、第3楽章メディアンテ、第5楽章は属調。ヴァイオリン・ソロの加入、トゥッティとソロの分離によってコンチェルタントな性格が強く表現されている。メディアンテ楽章とソロ加入の楽章は一致するが、この2楽章は小協奏曲として取り出されることもある。
第1楽章 アレグロ・アッサイ ニ長調 4分の4拍子。トゥッティと弦パートの対比がみられるソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ ヘ長調 4分の2拍子。
第3楽章 アレグロ ヘ長調 4分の2拍子。
第4楽章 メヌエット ニ長調(トリオ ト長調) 4分の3拍子。
第5楽章 アンダンテ グラツィオーソ イ長調 4分の2拍子。
第6楽章 メヌエット ニ長調(トリオ1 ニ短調、トリオ2 ニ長調) 4分の3拍子。
第7楽章 アダージョ ニ長調 4分の3拍子。アレグロ・アッサイ ニ長調 8分の6拍子。