■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

弦楽四重奏曲 第12番 変ロ長調

K172

 〈ウィーン四重奏曲〉の第5曲。自筆譜には作曲の日付が記入されていないが、連作の最後の2曲は9月に書かれたと推定されている。この作品は、シンフォニックな両端楽章、セレナーデ風の第2楽章、快活なメヌエットで構成されており、第3曲のイ長調K170と同じく、室内楽的性格の後退した四重奏曲となっているのが目を引く。
作曲年代 1773年9月、ウィーンにて(推定。なお、9月18日のレオポルトの手紙に、「ヴォルフガングは大変熱心に作曲しています」と書かれており、この言葉はこの曲か次のニ短調をさすものと推測されている)。
基本資料の所在 自筆譜はロンドンの大英図書館所蔵。
出版 〔初版〕 1801年、オッフェンバッハのJ・アンドレから、「作品94、第2巻、第2番」として。〔全集〕旧モーツァルト全集第14篇、第12番。新モーツァルト全集、第8篇、第20作品群、第1部門、第1巻。
演奏時間  約15分半。

第1楽章 アレグロ・スピリトーソ(第三者による) 変ロ長調 4分の3拍子。ソナタ形式。ヴィゼヴァとサン=フォアが、以前に書いた交響曲の編曲か転用という説を出しているほど、交響的な響きの強い楽章である。
第2楽章 アダージョ 変ホ長調 4分の4拍子。ソナタ形式(二部形式)。揺れ動くような細やかな伴奏を従えて第1ヴァイオリンがうたう、K170と同趣向のセレナーデ楽章。
第3楽章 メヌエット 変ロ長調 4分の3拍子。
第4楽章 アレグロ・アッサイ 変ロ長調 4分の2拍子。ソナタ形式。