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弦楽四重奏曲 第10番 ハ長調

K170

 〈ウィーン四重奏曲〉の第3曲。ハイドンの影響が強くあらわれた作品である。しかしその影響は、第1曲の場合とは異なり、ハイドンの進歩的な面からというよりも、作品17までの四重奏曲に残っていたウィーン風ディヴェルティメントの伝統からのものである。このことは、ゆっくりした変奏曲形式の第1楽章、セレナーデ風の第3楽章に顕著にみられるが、本格的なソナタ形式による楽章を1つも含まない4楽章構成ということ自体、きわめてディヴェルティメント的なものといえる。
作曲年代 1773年8月、ウィーンにて(自筆譜への記入)。
基本資料の所在 自筆譜は個人蔵(スイス)。
出版 〔初版〕1792年、ウィーンのアルタリア社より。ただし、第1楽章にハ長調K157の第1楽章をおき、それにこの作品の第1、第4楽章を続けた3楽章作品として。〔全集〕旧モーツァルト全集第14篇、第10番。新モーツァルト全集第8篇、第20作品群、第1部門、第1巻。
演奏時間 約15分半。

第1楽章 アンダンテ(レオポルトによる) ハ長調 4分の2拍子。変奏曲形式。
第2楽章 メヌエット ハ長調 4分の2拍子。
第3楽章 ウン・ポーコ・アダージョ(レオポルトによる) ト長調 2分の2拍子。ソナタ形式(二部形式)。
第4楽章 ロンドー アレグロ(レオポルトによる) ハ長調 4分の2拍子。軽妙なフランス風のロンド・フィナーレ。