■モーツァルト作品解説■    [HOME]   [年代別目次]

ディヴェルティメント 変ホ長調

K113

 1769年から1772年にかけて、モーツァルトは3回、イタリアに滞在している。第2回目のイタリア旅行は、マリア・テレジア女帝の皇子で、ロンバルディア地方総督のフェルデイナント大公と、モデーナのマリーア・リッチアルダ・ベアトリーチェ王女の結婚式のための音楽「アルバのアスカーニオ」K111の作曲を依頼されたことが主な目的だった。結婚式は10月15日に行われ、この2幕もののセレナータは大好評を博した。10月末から11月にかけて、交響曲2曲(K96(111b)、K113)と、このディヴェルティメントが作曲されている。K113のディヴェルティメントは、モーツァルトが初めて、クリネットを用いた作品としてよく知られている。しかし、一方では、クラリネットを使えない場合には(ザルツブルクのオーケストラには、少なくとも、1777年までは、クラリネット奏者がいなかった)、各々2つのオーボエ、イングリッシュ・ホルン、ファゴットが追加され、クラリネットを用いる時よりも重厚で、幾分沈んだ表情を与えているのも興味深い。
作曲の経過 ミラノの「クラリネットをもつオーケストラ」のために書かれた、と考えられる。ド・ヴィゼヴァ、ド・サン=フォアは、レオポルト・モーツァルトの手紙に報告されている「昨日、マイヤー氏邸で大きな音楽……」をもとに、11月22日か23日のアカデミーのために書かれた、と推測している。
初演 おそらく、1771年11月22日、または23日ミラノのマイヤー氏邸で。
基本資料の所在 自筆譜(ベルリン国立図書館、プロイセン文化財)。筆写譜(同上、Mus.Ms.15311)。
出版 旧モーツァルト全集第9篇、第15番。新モーツァルト全集第4篇、第12作品群、第2巻。
演奏時間 13分5秒(フィリップス、SFX 8700)。
楽器編成 ヴァイオリン2、ヴィオラ(自筆譜では複数)、バス、クラリネット2、ホルン2、または弦楽器とオーボエ2、イングリッシュ・ホルン2、ホルン2、ファゴット2

第1楽章 アレグロ 変ホ長調 4分の4拍子。単純なソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ 変ロ長調 4分の3拍子。二部分からなるリード形式。
第3楽章 メヌエット 変ホ長調 4分の3拍子。8小節単位を厳格に守ったメヌエット。
第4楽章 アレグロ 変ホ長調 4分の2拍子。ソナタ形式。