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Basic All-Grain Brewing Techniques |
シングル・ステップ・インフュージョン(浸漬)・マッシング:穀物をある温度範囲に、普通は約1時間、浸けておく。この放置の間に大麦モルトの水溶性の澱粉が発酵可能な糖分に変化する。これは、どんなマッシング方法にも含まれる基本温度での反応である。 ツーステップ・インフュージョン・マッシング:穀物を低めの温度に浸けて蛋白質の分解を助け、それから温度を上げて、上記の糖化のための保温を行う。 デコクション(煎じ)・マッシング:穀物を1〜4種類の温度範囲で浸けておく。各段階で、マッシュの一部を取り出して沸騰させ、それをもとのマッシュに戻して、温度を上げる。
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温度:殆どの生化学反応と同様、酵素は温度の上昇で作用が活発になる。しかし、酵素の場合、ある温度を超えると酵素の形が破壊され、効果が無くなってしまう。このため、それぞれの酵素によって最適の温度範囲がある。マッシュの各段階での目標温度はこの温度範囲をもとに決められる。 pH:それぞれの酵素に最適の温度範囲が有るのと同様、最適のpH範囲もある。マッシュの時はpHは5.2〜5.5の範囲でなければならない。水の化学的な振る舞いが問題になる。マッシュのpHは水のpH、硬度、アルカリ性と、穀物等に関連している。マッシュをpH計やテスト紙で調べて適切な値に調整しなければならない。pHを下げるには少量の石膏や酪酸が使われる。pHを上げるには炭酸カルシウムが使われる。
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45〜60分の糖化レストの後、少量の殻のないサンプル液を取る。大匙1杯の麦汁を室温に冷まし、1、2滴のヨードを入れる。結果を見る、もし縞模様が出たり藍色になるなら、糖化は不十分でさらにマッシュを続けなければならない。色の変化が無いならば、糖化は完了している。ヨードは有毒!テストサンプルはマッシュに戻さない事。 ヨード・テストは必須ではない。また、不正確な場合もある。殻や繊維の含まれたサンプルは、糖化が完了していても、澱粉の反応を示すことがある。何時間もマッシュしてヨード・テストが変わるのを待つ必要は無い。もし、温度とpHが適切な値に近ければ、2時間以上のマッシュは必要ない。大抵1時間で十分である。
注:テストにはヨード・チンキを使う。ヨード殺菌剤では正確にならない。
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1). マッシング・インの前に、マッシングの種類によって定まる適切な開始温度を決めなければならない。標準的なマッシュ濃度は、以下の水と穀物の比率で得られる。
1ガロン(3.79リットル)の水に3ポンド(1.36Kg)の穀物
これは、1・1/3クオートの水に1ポンドの穀物と同じ
2). 上記の適切な量の水を推奨の温度に達するまで加熱する。シングル・ステップならおおよそ168V(76℃)ツー・ステップなら135V(57℃)。
3). 穀物と湯を混ぜる。もし醸造家が二人いるなら、またはマッシュ・タン(桶)に中底が有るなら、最初にマッシュ・タンに湯を入れる。それから一人の醸造家が穀物を湯の中にゆっくりそそぎ込み、もう一人が「だま」にならないようにマッシュを撹拌する。もし醸造家が一人で、マッシュタンに中底がない場合は、先に穀物を入れ、それから湯をゆっくり注ぎ込む。
4). はねをとばしたり空気を混ぜ込んだりしないように注意して、よく撹拌する。そして、乾いた穀物の「だま」がないことを確かめる。「だま」があると効率が下がる。
5). 穀物と湯がよく混ざったら、マッシュの温度を確認する。もし温度が低かったら、気にしない。マッシュタンが加熱可能なら、暖めれば良い。さもなければ1〜2クオートの湯を沸かし、マッシュに加えれば良い。もし温度が高いようなら、冷ましてやれば良い。マッシュタンを屋外に出すか、床にでも降ろすかすれば、冷めるのが速まる。
技術:糖化反応の温度は150V〜155V(65.5℃〜68.3℃)である。加熱しないマッシング・タンを使う場合は、マッシュ・インを155Vとする。上記の、標準的なマッシュ濃度の場合、マッシュ・インの前の湯の温度を165〜170V(73.8〜76.7℃)とする。150〜155Vの温度を、45〜60分またはヨード・テストで糖化終了がわかるまで、保ち続ける。この反応の終了に向けてスパージ用の湯を準備すること。
技術:プロテイン・レストとは、120Vから132V(49℃から55℃)の蛋白質分解酵素の活発になる温度から名付けられた。122Vから125V(50から52℃)プロテイン・レストをすることによって、ワートの糖分量とビールの透明度を高め、イーストが健全に発酵するための栄養分を供給する。
標準的なマッシュ濃度の場合、マッシュ・インの前の湯の温度を135V(57℃)とする。温度が適切な範囲になったら、その温度を少なくとも30分保ち続ける。それから150〜155V(65.5℃〜68.3℃)に温度を上げ、糖化レストを行う。この温度を60分またはヨード・テストで糖化終了がわかるまで、保ち続ける。この反応の終了に向けてスパージ用の湯を準備すること。
使用道具:スパージングに使う容器は、底部に水抜きがつき、グレインベッド用の中底がついていなければならない。中底のついた鍋から、網を張ったプラスチック・バケツまで、道具は色々選択できるが、全て使用法は同じである。
分量:スパージ用の湯の分量はマッシングとスパージングで合わせて7ガロン(26.5リッター)ほどである。おおよそ1.5ガロン(6リッター)の湯が穀物に吸収されるため、5, 6ガロンの分量が得られる。60分間沸騰させる事で十分蒸発し、沸騰後は5ガロンかやや少な目の分量になる。(少ない場合は5ガロンまで水を追加する)。
温度:170V(77℃)がスパージングの最適温度である。マッシュから糖分を吸収するのに十分なほど高く、穀物の滓からえぐみが出るほど高くはない温度である。この温度にまでスパージ用の湯を加熱する。(糖化レストの間に加熱しておけば時間の節約になる)。湯が準備でき、マッシュが終わったら、装置をセットアップする。この時、マッシュをローター・タンに注意深く移す作業を伴う。もし、マッシュ/ロータータン一体の装置を使うのなら、湯をセットするだけでよい。
技術:ローター・タンから最初に流れ出るものは、細かいモルトの粒子で濁っている。この粒子を濾しとるため、ロータータンから出たものを、澄んでくるまで、マッシュに戻してやる。スパージングシステムをセットしたら、流れ出たものを巡回させるために別の容器に受ける。ピッチャーや大きなガラス容器が適している。スパージを始める前に1, 2ガロンを巡回させなければならない。容器を満たしたら、それをマッシュの上部に戻してやる(しかし、水路ができないようにする)。流れ出る液が明らかに澄んでくるまで繰り返す。(完全に透明になることはないが、少なくとも半透明になっていなければならない。普通ここまでに2ガロン以上の巡回は必要ない。)これから主なスパージングに入る。流出液を鍋に集める。スパージの間、以下のことに留意する。
・ロータータンから流れ出る量をバルブ等でコントロールする。殻からできるだけ多く糖分をとるために、スパージングは45分以上の時間をかける。液の流量を観察し、早く液がなくなるようなら、取り入れ量と排出量を少なくする。
・ロータータンに湯をそそぐとき、グレインベッドに水路ができないようにする。もし水路ができると、スパージングの湯が糖分を吸収せずに楽に流れてしまう。スプレー装置を持っていないなら、ざる等を使い湯の勢いを分散させて、水路を作らないようにする。
・ロータータンの湯の量は常にグレインベッドより上にする。グレインの一部が湯に浸ってないと、モルトの糖分が、無駄になる。