1998年3月8日(日)PM1〜4半 西別院
第15回岐阜教区門信徒の集い
育ちあういのち「ともに聞こう、手をつなごう、生きよう」
「いのち」を見つめるシンポジウム(パネルディスカッション)
鳥羽:いのちを色々な角度から考えることができる。自らの生き方を問い直す。
青木敬介氏の紹介。
青木:播磨では、青木でなくて、あほきで通っている。
蓮如500回のテーマ「家族と環境」。いのちの生きていく場を破壊する。人間自身が破壊されてしまう。立ち退き、操業をやめろという補償金には毒がある。土地も海も元来は誰のものでもなかったはず。砂漠の国境は遊牧民には意味がない。海は誰のものでもない。自分のものでもないのに、相当の額が不労所得として入ってくると、たいていは競馬・競輪などでなくしてしまう。
いのちの生活の場、大事な場が失われしまう。一番大事な波打ち際。色々な種類のバクテリアが住んでいる。色々な生物がいてくれて、水の浄化。魚が集まってくれる。働いている生き物たちの場がなくなる。コンクリートで固められるとその場が失われる。川も同じ。生き物のいのちが無数に失われている。環境破壊の「成果」がいま実ってきた。
資料「いのちと環境こそ念仏者の問題」から。水に含まれる化学物質。フロンによるオゾン層の破壊。皮膚癌。微生物が生きられなくなる。ゴルフ場による森林破壊、農薬散布。山や海の破壊。2年前の文書でも古くなっている。ダイオキシン。産業廃棄物。特に有機塩素化合物。昔、DDT。今でも、有機すずによる船の塗装。PCB。自然にばらまかれてきたことによって、微妙な物質ホルモンに異常が生じる。精子の数が減少。卵巣の働きもかき乱す。すでに海の中にいる生物。いぼにし貝。蟹でもオスの精子が減っている。恐ろしい有機塩素化合物による悪さ。大量のいのちの破壊。
無量寿経の中で、働きあういのち。餓鬼になって、欲望に目が眩んで、抹殺していく。破壊していく。まさに地獄の働き。いのちといのちが密接にかかわりあっているのがお浄土の世界。運動してきたが、確かに地獄の餓鬼になっていたなあ。今、考え続けていこうとしている。
鳥羽:谷元昭信氏の紹介。
谷元:消息でいのちの大切さ。青木氏の話。差別が人間破壊をしてきた。差別解消へ大きく前進してきていることは確かだが、心の中をみつめるとはたして差別していないといえるかどうかが問われている。いのちの平等がこれから問われる。目に見える差別と目に見えない差別。色々な差別事件をきちんと捉えられているのか。
西成の地区は日本最大。2万3千人。3千人からアンケート。今まで差別を受けたことがあるというのが、3割。その時、6割近い人は誰にも相談しない。西成支部に相談したのは、わずかに4.5%。これは大変なことだと、体験集を出した。ショックを受ける形でたくさん出た。例をあげる。
君はこれか? 指を4本。おれはいいけど、家族の納得は得られない。
お腹の子供とともに自殺。
住所・戸籍を7回変えたが、興信所の調査で破談。
部落出身を隠しつづけている友達。
戦友が、主人を40数年かかって探した結果、部落出身とわかると唾をはきかけ、その後、いっさい連絡がない。
今日なお差別が存在するということが重大。差別がいのちを抹殺するものとして生き続けている。差別は差別される者にとってだけでなく、差別する者にとっても共に悲劇。差別する人間の品性。自分自身で内面を見つめる必要。門主消息。
心が痛むだけでは差別はなくならない。なくそうとする努力が必要。3つのこと。1つは一人一人の人間が内面をしっかりみすえる。在日。障害者、女性など様々な差別がないかどうかを内面からみつめ直す。一人一人が違うからこそお互いが大切。
2つは、人と人との豊かなつながりをつくっていこう。生きていく豊かな関係。人間は一人では生きていけない。差別をなくしていく、人権のまちづくり運動。
3つは、社会の中にできているしくみそのものを変えていく必要。新しい人権を中心とする法律や制度が必要。
差別を撤廃していく社会的土壌ができていく。
鳥羽:奈倉道隆氏の紹介。
奈倉:生命=かたい。いのちとどう違うか。生命は科学の一面で見ていこうとする。いのちとした時は、生命を含む。科学=機械的生命感。部品をとりかえる。臓器移植。機械的生命観の問い直し。移植するとひずみが生み出される。科学は物として見る。役に立つかどうか。功利主義の立場。元々、欲望を満たしたいと発達してきた科学。宗教的な見方と科学的な見方は別のもので。2つとも必要だというのが西洋の科学者。科学の発達には必ず宗教が伴うという西洋。
科学だけを大事にして、宗教を軽んじてきた日本。ブレーキがきかない自動車。
いのちは皆兄弟。皆共通のいのちの流れ。いのちは環境の中で生かされている。大切な環境をどんどん壊している。時々刻々と変わっている体。どんどん死につつある。と同時にどんどん生まれ変わっている。機械と違う。自然治癒力。自然回復力をもっている体。いのちの素晴らしい働き。
生気論的生命観。いのちは自発性をもつとともに協調性をもつ。あらゆるいのちが調和をもって働いているお浄土。どんどん生まれ変わっていく。常に生まれ変わり、最後にこの世からあの世に往生する。生まれてみたら岐阜だった。私の思いであの世にいくのではない。私の働きをこえて。はかることのできない大きないのち。アミターユス。無量寿。あらゆるものを生かそうとする大きな宇宙の真理。仏教でいう。アミターユス。大いにいのちのはらきをうける。永遠のいのちをいただいている我々はあみだとという大きないのちの流れにかえる。やがてあの世でひとつにならせていただける。おいでおいでという呼びかけにこたえる南無阿弥陀仏。救おう救おうとしているあみだ様に気がついたときにお念仏が生まれる。お念仏の心に生かされている。
一緒にやっていこうというのがビハーラ。阿弥陀様からいただいたいいのち。苦しいという人に、生かされていることは楽しいと気がつかされるのがビハーラ。
資料「ビハーラ活動」
ビハーラは寺院という意味をもつ。岐阜は黒野で最前線をいっている。
鳥羽:譲 西賢氏の紹介。大谷派。いのちとは仏様からの授かりもの。
譲:寒いのでは? 住職。カウンセリング。前は肩に力が入っていた。最近は私に気がつかされてありがたいと思うようになった。えらいことになった? 私の中に同じ種火が根づいている。他人事でない。いのちを所有化してしまっている。いつのまにか人間が科学で自分のものにしようとしてきた。
若い方々。こどもをつくるという。最近は、計画出産。10月がいい。いつ仕込むか。基礎体温で、今夜あたりに男の子。女の子。私のもの。つごうよく育てたい。虐待は、たまたまペットと子供の区別がつかなかった。根っこは子供を生む時にある。
教育産業ということば。なぜ教育産業が成り立つのか。親による。いじめるこがやり玉にあげられるが、最初からいじめっ子だったのか? 最初からいじめっ子はいない。最初はいじめられっ子。最初はおかあさん。気がついていじめ返す。弱い子をいじめる。お母さんはどんないじめをしているか。口では我が子かわいい。子供からするといじめられている。
例。4、5年まではかわいがっていたお母さん。動いた。目が変わった。昔はうるんでいた。今はかわいていた。そんな見ぬかれていたんですか。私は優等生だった。
主人に似てきた。弟が私に似ているとおもえてきた。ドキッとするものがある。上の子。お前に似ていた? がんばれは、頼むから、お母さんに似ないでくれ。お父さんの顔に泥を塗らんでくれ。親の愛の押し付けはないかどうか。親としてはらはらしたくないからと子育てをしているのではないか?
期待されると元気が出る。期待する側の功利主義。期待にこたえてくれそうな子を、期待にこたえてくれそうな人を望んでいる。皆が無理してあわせているだけかもしれない。駄目だとなれば見捨てる。私にあわせてくれそうな人を巧妙たくみにみつける。人間はそのようなもの。みんな人間共通してもっていることを気がつかさしてくれている。期待することだけで。そのことはどうしようもない人間。いいとか悪いとかの絶対でなく、私にとって都合がいいこと。
比べる。たいてい自分より恵まれていないものと比較する。差別せずにはおれない人間。ひざの靭帯が切れているかもしれない。小さな接骨院。大きな病院で元気が出てきて、ものすごく恐い自分。上見て暮らすな、下見て暮らせ。つかのまの幸せを求めてしまう人間。
善人ぶって、我が身かわいさをとことん知って、否定しないでどうどうと生きていく自分を。
鳥羽:引き続き進行させたい。質問があればどうぞ。
質問:言っていいことと悪いこと。(帰る人が多く、マイクもなくてよく聞き取れず)差別の問題。宗門にいまなお差別を温存してきたという事実。本当に差別をなくそうというなら具体的にどこが悪いということを明確にする必要。
鳥羽:宗教からの提言は?
質問:お天道様がみている。道徳問題。
青木:トイレで聞き逃した。いのちの大切さを抽象的に言ってもはじまらないのは事実。いのちの大切さをいいながら、すでにいのちを踏みつけている。善悪、譲先生の話の中にすでに回答があったのではないか。赤潮は一定のプランクトンだけが増えすぎて、回りも自分も滅んでしまう。プランクトンを発生させたのは人間。日本人ほど浪費的生活しているものはいない。例えば、日本人が使う石油は世界の20%。これで空気が汚れ、水が汚れるのは当たり前。ガルブレイスが10数年前に警告。瀬戸内海のごみ。大阪湾のごみ埋め立て。気がつかないでいる私たち。気がつかさしてくれるのが仏様。念仏の中で本願に気がつさしてもらう。善悪。もののいのちを損なう、これはおかしいじゃないかと気がつかさしてもらう。私の気持ちは怖い。自動車は乗らないということで通してきた。車に乗っていくと、道端の花には気がつかない。新幹線では遠い景色でさえ後ろへ後ろに。車に乗っていると自転車、歩行者が邪魔物。歩いていると車が凶器に。条件しだいで変わる。恐ろしい人間の本性。お浄土。害虫ということばは大嫌い。人間のものさしではかっている。人間にあてはめるとたちまちに差別意識になる。
谷元:いのちを抽象的に論じるべきでない。具体的に必要。生き方の道徳、倫理を人権から確立していくことが重要。
具体的な問題、本山、教区、組に生じている。差別事件。三重住職差別発言事件。本山の人事問題に差別問題が使われること自体が差別問題。札幌差別落書き事件。相次いで生じたことを重視。本山に対する糾弾闘争。全教区、全組、点検糾弾点検会。最終的な決定をみて、すでに2年を経過することを前提にしている。提起している、寺格、僧侶、永代経など。
奈倉:いのちは皆平等。このような機会を与えていただいて感謝する。
譲:自分色を見つける。家庭、学校で育てられていくことの大切さ。ご縁に感謝する。
鳥羽:今日が第一歩。先生方に心より感謝いたします。
(以上)
1998-3-11掲載/1999-11-9再掲載
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