読書記録(どくしょきろぐ)
== オンラインストア&書評 ==

from hage.exblog.jp


読書記録゛
(どくしょきろぐ)
ブックストア
by hajime_kuri

トップページ


ブックガイドのトップへ

2004年2月
2004年3月
2004年4月
2004年5月
2004年6月
2004年7月
2004年8月
2004年9月
2004年10月
2004年11月
2004年12月
2005年1月
2005年2月
2005年3月
>>2005年4月
2005年5月
2005年6月
2005年7月

 

ジャンル別
ベストセラー

 
 

2005年4月のブックガイド

このページはシーサーブログで2005年4月に掲載した書評・映画評覧で構成されています。
新規の書評は
ここ、シーサーブログの「新・読書記録゛(どくしょきろぐ)」
でお楽しみいただけます。


「ナウシカの「新聞広告」って見たことありますか。---ジブリの新聞広告18年史」
「本棚探偵の冒険」喜国 雅彦(双葉文庫) 
「アップルシード」
「エネミー・ライン」
「誰も知らない」
「広告図像の伝説」

 

「ナウシカの「新聞広告」って見たことありますか。---ジブリの新聞広告18年史」


スタジオジブリが制作した劇場アニメーションの新聞広告をまとめる。映画公開前の「予告」、公開前日の「本告」、公開後の「追告」を並べると、新聞広告制作者の苦心や遊び心が理解できる。制作者らへのインタビューも収録。
実は私の勤務先の広告会社は、もともと新聞社の広告から出発した会社だ。20年前の入社当時は、それこそ八割以上の仕事が新聞系。電波のような華やかさとは無縁の地味な仕事である。
ただ、それでも自分の書いたコピーが、小さいとはいえ新聞紙面で活字として載っているだけで感動した記憶がある。まだワープロすらない時代で、素人の書いた文章がきちんとした書体の文字になること自体が、俺の感動を呼んだのである。
今回この本を読んで、当時携わっていた新聞広告の楽しさを思い出した。
業界の人だけでなく、一般の読者の人にも「新聞広告」の仕組みがよくわかる良書である。個人的には、うちの新人に読ませたいね。

↑このページのトップへ


「本棚探偵の冒険」喜国 雅彦(双葉文庫)


「傷だらけの天使たち」「日本一の男の魂」などの著作で知られるマンガ家・喜国雅彦。彼が古本マニアとは、これを読むまで知らなかった。古本にまつわるエピソードを独特な語り口とイラストで表現。古本が決して嫌いなわけではない俺など、思わずニヤリとする話ばかり。
特に、角川文庫の横溝モノから本の収集が始まるエピソードは笑った。
あのころ、角川はよく文庫カバーの架け替えをやったのである。おかげで、俺の本棚には、大藪春彦の「復讐の掟」が三冊ある。当時、大学生の俺が、カバーが変わったのに気づかずに、新刊と思って買ってしまったものだ。しかも、読み終わって本棚に入れる段階まで、すでに読んでいたことに気づかない。ストーリーがみなほとんど同じという、大藪作品だからこそである。大藪作品に関して弁護すれば、彼の作品はストーリーではなく、その語り口やシチュエーションや小道具などを味わうものだから、俺にとって、ストーリーはあまり重要ではないのである。
ちなみに、俺の古本の中で、一番高そうなのは、湊屋夢吉の「紅龍異聞」だろうか。

↑このページのトップへ


「アップルシード」

士郎正宗が1985年に発表したメジャーデビュー作『アップルシード』を、『ピンポン』の曽利文彦プロデュース、『バブルガムクライシス』の荒牧伸志監督でアニメ化。1988年にも一度OVA化されているが、今作では全編CGの“3Dライブアニメ”として製作。
個人的には、平坦なアニメアニメしたキャラよりこっちの方が好き。
たたし、もっとアメコミっぽいキャラが好きなんだけどね。
開巻いきなりの銃撃戦。すげえすげえと一気に物語に突入ですよ。もう実写以上の迫力。物語自体は、もう時代を感じさせるのは85年の原作ゆえか。
キャラの質感などは、今ひとつ。でも動きとか凄いね。
マトリックスに対して、今一度「どうだい」と言っているようだ。
映像だけで十分楽しめた。これも俺的にはOKだ。


↑このページのトップへ


「エネミー・ライン」


O・ウィルソン主演の戦争アクション。1990年代のボスニアで、米海軍パイロットが偶然に戦争犯罪現場を目撃、敵陣からの執拗な追跡を逃れて脱出を試みる。最新CGを駆使した迫力あるアクションシーンが見所。
演出がうまい。
プロパガンダだ、という声もあるらしいが、これは当時のボスニアの雰囲気と情景を巧みに生かした「戦争アクション」である。ただ、戦争に伴う、愚かしさや悲しさは、さらっとたけど、手を抜かずに「ちゃんと描いていますよ」というところ。以外とリアル。監督のジョン・ムーアは実際にボスニアの取材経験があるとのことで、なるほどと納得した。
前半のF/A−18F“スーパーホーネット”戦闘攻撃機のミサイル回避のシーンは、見たことのない映像が細かく描かれていて、恐ろしくリアル。しかも、撃墜されて、敵側の支配地に取り残されるのだ。
また、秘密を知った主人公の逃避行と追いかける敵側スナイパーのエピソードなど、全編サスペンスが途切れずに楽しめる。随所にある緩急の映像のたたみかけるような演出は感心した。
部下を救おうと悩む司令官ジーン・ハックマンの演技は渋い。ジーン・ハックマンだけで、この映画はずいぶん「格」が上がっているようだ。

↑このページのトップへ


「誰も知らない」

『ワンダフルライフ』『ディスタンス』の是枝裕和による、劇場用長編第4作。1988年に東京で実際に起きた「子ども置き去り事件」をモチーフにし、母親に置き去りにされた4人の子どもたちが、彼らだけの生活を続ける約1年を描いている。柳楽優弥がカンヌ映画祭において、最優秀男優賞を史上最年少で受賞した。
 淡々と日常を描いて、これほど観客の心に響く映画はない。
 育児を放棄した母親を、強く抗議するとか、福祉事務所によって兄弟が引き裂かれるとか、そういうドラマチックなシーンはまったくない。ただただ、お金が泣くなり電気が止められ、水道が止められていく一年間を子供たちが生きていくところを描いている。特に長男の明が責任感を持って兄弟の世話をしながら、それでも子供らしい「友達が欲しい」「遊びたい」という願望にさいなまれて、学校や町を彷徨うところが胸にせまる。末の幼い妹に対する思いは、「火垂るの墓」を思い出してしまう。周囲の大人にわざとらしい悪人がいないのもいい。むしろ、こっそりと残り物を分けてくれるコンビニの兄ちゃんとか、人間に絶望しないようなメルヘンにもなっている。
 そして、映画の後半、館伽間の心を代弁するかのように、彼らに寄り添ってくれる、登校拒否の高校生のお姉さん。
 この映画は、声高に「糾弾」や「抗議」をする物語ではない。それだからこそ、観客の心には、「子供の成長」に対する強い責任感と、子供に注ぐ優しい視線が芽生えるのである。
 いい作品に出会えた喜びを感じられる作品です。
 末娘の「ゆき」をみてて、自分の娘の5歳ぐらいのころが思い出されて、涙が出てきましたよ。長男の気持ちを察している長女の「京子」もいい子です。兄弟たちの優しさは、作られた演出を感じさせない。ぐいぐいと映画に引き込む力を持っている。
 一年間の間に、子供たちの母に対する気持ちは変わっていく。最初は不安、そして母の帰らない絶望。だが、映画のラスト、少し突き放したような終わり方は、子供たちの心が渇いた諦観になっていることを示している。
 「誰も知らない」のは、この子供たちのサバイバルではない。その子供たちの心こそ、「誰も知らない」のだ。

↑このページのトップへ


「広告図像の伝説」


おなじみ荒俣先生の博覧もの。
広告図像にこめられた願いや、シンボルの歴史をわかりやすく解説。
面白い。文庫版で、ようやく買えましたよ私。

目次

商標解読術原理―ライオンにはじまる
エンゼル・マーク―逆立ち天使のいたずら
女性マーク―中将姫はわれらがホステス
"クロンボ"マーク―白子さんよりも黒子さん
将軍マーク―商品は武装する
お月さまマーク―ひと泡ふかせる
スポーツマン・マーク―"お手あげ"の極致へ
福神マーク―好運は店先に訪れる
大黒マーク―家庭の絆は貯金から
キリン・マーク―天翔ける獣の伝説
電子マーク―図案の死
ロゴ・マーク―ささやきと刺激

↑このページのトップへ


(C)2004 , hage.exblog.jp

 Amazon.co.jpアソシエイト

管理者サイト

デジタル文芸
(デジブン)

そこはか通信

青空文庫

BigScooter.com

Mr.Xの18禁アメコミ

1001sec.com

廃墟Explorer


Amazon.co.jp アソシエイト

Amazon.co.jp アソシエイト