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2004年11月のブックガイド

このページはエキサイトブログで2004年11月に掲載した書評・映画評覧で構成されています。
新規の書評は
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でお楽しみいただけます。


「八月十五日の開戦」池上 司 (著) 角川文庫
親父の目にも涙、「野菊の如き君なりき」 (1955)木下恵介

 

「八月十五日の開戦」池上 司 (著) 角川文庫
一九四五年八月十五日、日本が無条件降伏を受け入れたその日に、ソ連は北海道占領作戦を発令した。
北千島の小島・占守島に侵攻を開始したソ連軍の圧倒的な兵力を前に、本土帰還の望みを砕かれた日本軍将兵たちの孤独で困難な戦いが始まる。一方、米国に調停を求めるため、密使はマッカーサーの許に飛ぶ。祖国分断の危機を回避すべく、太平洋戦争最後の戦いに身を挺した人々の壮絶な運命を描く戦史小説である。
彼らが持ちこたえることができるのはギリギリ3日間と予想されたが、その困難な状況下で、ソ連上陸部隊を阻止し、北海道の占領と祖国日本の分断を阻止した大激戦である。確かソ連軍だけで4500名戦死。
一般にはほとんど知られていない戦いであるが、北方領土に関しては、声高に「領土、領土」とスローガンをぶちあげるより、この劇的な戦いを映画にしたらいいのではないか。映画向きではある。
やれ終戦だという安堵感から一転して、祖国の家族を守ろうと再び銃を手にした兵士たち。
当時、占守島の防衛戦は強制ではなかったが、全員の兵士が志願して戦闘のため島に残ったという。
角川も今頃「戦国自衛隊」をリメイクするぐらいなら、この作品を映画化してほしかったと思うのは俺だけであろうか。※と思って数年前に読んだこの本を探し出したわけよ。
平和な戦後日本で育つことができた俺たちは、この島で戦死された将兵の方に、改めて感謝と尊敬の念を抱くのである。
八月十五日の開戦角川文庫
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親父の目にも涙、「野菊の如き君なりき」 (1955)木下恵介
民子と政夫のいとこ同志のあいだに芽ばえた恋は、世間を気にするおとなたちのためにへだてられ、民子は政夫の面影を胸に秘めて嫁いでいきます。
いわずと知れた伊藤左千夫の「野菊の墓」のモノクロ映画化である。
実は、俺は映画や文学など割と冷笑的(よく言えば客観的ってか)に鑑賞する嫌な奴であるが、いったい誰に似たんだろうと思うと、それは実の父である。もともと彼は高校の国語教師ですからそれも当然でしょうな。
で俺が高校2年生、生意気盛りで映画にのめりこみ始め、スクリーンやロードショーではなくキネマ旬報や映画芸術を読み始めた頃のことである。
テレビで、「野菊の如き君なりき」を放映したのだ。日曜日の午後である。
親父は「懐かしいなあ」と言っていたのだが、映画も後半に差し掛かったとき、ふと見ると泣いているではないか。親父の涙を見たのは後にも先にもこの一回だけである。
高校生のガキには古臭いだけでピンとこなかったんだが、親父は初上映の頃、まだ独身で、周囲はまだまだ戦後の復興の最中だったとのこと。淡い初恋とかを真正面から描いた映画は初めてだったのだよな、と少し言いわけしとりました。親父、ちょうど今の俺の年齢と一緒であった。
俺も、こういう作品にぐっとくる年齢になったのかもしれないなあと思う次第である。
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