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2004年10月のブックガイド

このページはエキサイトブログで2004年10月に掲載した書評・映画評覧で構成されています。
新規の書評は
ここ、シーサーブログの「新・読書記録゛(どくしょきろぐ)」
でお楽しみいただけます。


「未来の二つの顔」J・P・ホーガン原作  星野 之宣(講談社漫画文庫)
いやし いやされ人生応援団(吉田宏岳)風媒社
「キューティーハニー」庵野秀明 監督
「ある日どこかで」(1980年)

 

「未来の二つの顔」J・P・ホーガン原作  星野 之宣(講談社漫画文庫)
2028年の月面、静かの海。月からの鉱物資源の採掘は、コンピューターシステム・タイタンによって円滑に行われ、そのシステムは人類の未来に大きな期待が寄せられるものだった。
しかし、1つの簡単な命令が、統治者である人の生命を脅かす危険な作業を選択し、人類はコンピューターのトラブルと解釈。完全に孤立した宇宙コロニーを選び、人類は「知恵」を持ったコンピューターシステムと人類の関係の未来をシミュレートする一大演習を実施するのだが・・・。
原作は、ハードSFの雄ホーガン。
十年以上も前に書かれながら、まったく古さを感じさせない。そのすばらしい話を、まさにこの人しかいないという星野宣之がビジュアライズした。
原作とコミックの、こんなにも幸福な出会いを俺は今まで見たことがない。

さて、人工知能やロボットと人間の関係を描いたSFは星の数ほどあるのだが、その大半は次の2パターンかその組み合わせである。
・効率や能率を第一義にした機械としてのロボットや知能(全体主義とか非情な組織なんかの暗喩が多い)と人間の関係を描いて、人間の「心」にスポットを当てる。
・ロボットや知能を、「嘘をつかない」「自己犠牲」という側面から捉え、「究極の善人」として人と対比して描いて、人間の心にスポットを当てる。

ところが、この物語は違う。知能が、自分の生まれてきた目的や、自分を生み出した存在「人間」を"認識"するということがテーマになっている。独創的である。
読み始めたらもうやめられない。ロジカルでなおかつスリルとサスペンスに満ちたストーリー。
まさに、本格SFはかくあるべし。

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いやし いやされ人生応援団(吉田宏岳)風媒社
東海地区をエリアにするラジオ局、東海ラジオのトーク番組に「癒し癒され人生応援団」というものがある。毎週火曜日の朝9時35分からオンエアされ、もう四年続いている。
パーソナリティは谷川アナと吉田宏岳氏。これは、その番組から誕生した本だ。
吉田氏は名古屋市昭和区の八事山興正寺の第20代住職である。毎回、宗教者らしい視点で、育児・自然・人生を訥々と語ってくれて、これから勤務だというような緊張の時間に、なんともいえないリラックスを与えてくれる番組である。
実は吉田氏は僧であると同時に、社会福祉と児童福祉の専門家(日本福祉大学や新城大谷短大などの教授や副学長など歴任)で、戦前後の児童福祉や社会福祉の生き字引でもある。
ラジオ番組という性格から、宗教色はほどほどで、個人的には、この福祉関係の先人の話が実に興味深かった。非行児のための教育施設の創設や制度改革のパイオニアだった留岡幸助、孤児の救済に人生をささげた石井十次など。めったにマスコミに出てこない先人を番組で言及するあたりに、吉田氏の哲学が伺える。
ぜひ一度読んでいただきたい本だ。元気が出てくる。
いやしいやされ人生応援団←アマゾンへGo!
八事山興正寺オフィシャルサイト
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「キューティーハニー」庵野秀明 監督

派遣OL如月ハニー(佐藤江梨子)の正体は、「Iシステム」を発動させて何でも変身できるアンドロイド。しかし、そんなハニ−のIシステムの秘密を探るべく、悪の結社パンサークローが動き出した。ハニーは謎の新聞記者・青児(村上淳)やガチガチの警視庁刑事・夏子(市川実日子)とともにパンサークローが送り込む刺客に立ち向かっていく。
 おなじみ永井豪・原作の人気TVアニメをベースに庵野秀明監督が実写映画化した。
 とにかく特撮でも役者の演技でも、ポップなアニメ調を実写で「貫き通した演出」に感心した。それがまったく違和感なく、物語世界にマッチしていてうれしくなる。何よりアニメとかコミックス的な表現のもつある種キッチュでガチャガチャした「祝祭性」を知り尽くして、なおかつそれを卑下することなく胸を張った演出である。
 うれしい。
 佐藤江梨子のナイスバディも現実性を超越してすごくクール。アニメの実写化というととかく泥臭いものや、ファンに媚びるようなあざといものになりがちな邦画。バランス感覚も上出来の部類ではないか。こんなにスマートな映画化は珍いよ。監督は本当に自分のスタイルを持っているのだと感じさせる。
 永井豪氏ご本人のカメオ出演もある。「デビルマン」でのカメオ出演が巨匠的な出演なのに対して、こちらでは往年の漫画での登場にみられた「豪ちゃん」的な演出で、先生も楽しそうである。俺的にも「すごくうれしかったでげすよー!」(←あらら、当時ののりになっちゃった・笑)
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「ある日どこかで」(1980年)
少し遅れたが、俳優クリストファー・リーブへの追悼の意を込めて。
この作品のあらすじは、以下の通り。
新進劇作家リチャードは謎の老婦人から古い金時計を渡された。そして8年後、彼は古い肖像画の貴夫人に魅せられ、それが老婦人の若き日の姿(ジェーン・シーモア)であることを知る。すでに死んだその老婦人に会うため、彼はある方法で時をさかのぼる。
原作・脚本は短編の名手リチャード・マシスン。
実らぬ恋の障害が「時の壁」というすばらしい設定。何より俺は、シーモアのクラシカルな美しさに打ちのめされましたよ、当時。こりゃ時を越えてしまいますともさ。
原作は、世界幻想文学大賞を受賞している。映画はアカデミー衣装デザイン賞を受賞。
舞台となるグランドホテルもすばらしい。
実は、公開から20年以上も経っているのに、世界中にファンクラブがある。それだけ見た人を魅了してやまない作品なのだ。
実は俺は、辛口で冷笑的にしか映画を見たり語ったりしかできない嫌なやつなのだが、そんな俺が「劇場で泣いた」という数少ない作品の一つなのである。
下記にあげたのは日本のサイト。
ある日どこかでファンサイト
ある日どこかでSOMEWHERE IN TIME・DVD←アマゾンへGo!
ある日どこかで創元推理文庫←アマゾンへGo!
↓舞台となったグランド・ホテル、映画を偲んで訪れる客が後を絶たない。歴史のページには、この映画の記述もある。
グランド・ホテルホームページ

※ちなみに俺が泣いた作品は、以下のようなものだ。
「自転車泥棒」7歳の時。
「道」(フェリーニ) 中学2年
「ラ・マンチャの男」高校2年生
「さらは青春の光」大学2年
「初恋のきた道」43歳

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