「華鬘型小絵馬」26.3cm×31cm享保2丁酉(1717)年
華鬘(けまん)とは、仏前を荘厳(しょうごん)にするために、仏堂内陣の欄間など
に掛ける装商品である。もと印度の風俗として男女の身体を装飾するために生花
などを用いたものであったが、転じて仏具となった。多く金銅製で、稀に華などで
創り、花鳥 天女などを透かし彫りする。と「新村出編広辞苑」の輪郭を形取った
絵馬は珍しい。ここ虚空蔵菩薩をご本尊として祀られている明星輪寺には数多く
の絵馬が奉納されていて、その種類も多種多様に亘り、民族研究には豊かな内容が秘められ興味尽きぬものがある。ここに揚げた絵馬は一般に団扇型と呼ばているようだが、これは正く(うちわ)ではなく(華鬘)を凝らしたものである。享保2丁酉年(1717)正月吉日、奉掛、(ご宝前)と墨書きされているが画面胡粉がすり落とし図柄も不鮮明なため詳細不明。 |