木製算額
224.5cm×57.5cm 元治2乙丑(1865)年


わが国古来の数学で江戸時代に発達した和算の問題を記載した絵馬は「算額」と呼ばれ、
数学史研究の貴重な資料として世界的にも関心を寄せられ内外共に注目を集めているも
のである。元祖関考和の流れを汲む大垣藩領内の安八郡外野郷算光堂塾主天極斉浅野
孝光(5藤治)の門人たち27人が奉納したこの算額絵馬は、初段から10段まで12問が、
円形、三角形、菱形などを多角的に組み合わせ、赤、白、黄、青の彩色された幾何学模様
の難問が「問う曰く何々」「答えてく何々」と各問題毎に、いわゆる一問一答形式で表現
してあり、これを神仏に奉納し、感謝を捧げると共に、学習成果を世にアピールしさらに和算
研究の振興発達を期するものであって、これは恐らく的な卒業論文集のようなものではない
かと推察されて微笑ましい。





 和算と九曜紋



金生山ライブラリー 第1集
『和算と算額』
平成31年3月31日明星輪寺より刊行













  金生山明星輪寺より『和算と算額』が刊行されました。

 明星輪寺には元治二年(1865年)に算光堂塾主浅野五藤治孝光とその門人たちが奉納した算額(岐阜県重要文化財)が残されています。この算額と江戸時代後期に隆盛した和算をテーマとして、深川英俊先生の講演会「江戸時代の庶民の算術 和算と算額」(西美濃生涯学習連携講座)が2018年9月28日午前・午後の2回にわたって開かれました。いずれも第1部として赤坂地区センターで講演会が、続く第2部として明星輪寺で算額の見学・解説が催されたものです。
 本書は「金生山ライブラリー第1集」として明星輪寺より刊行しました。深川先生の講演録「江戸時代の庶民の算術 和算と算額」と明星輪寺算額問題の英文に、明星輪寺住職冨田精運氏の創刊の辞、篠田通弘「和算塾算光堂と明星輪寺奉納算額について」を合わせて収録しました。
 「金生山ライブラリー」の名には金生山の自然と歴史と文化を掘り下げて、継続して紹介していきたいという願いを込めています。皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。

 【本書の仕様】  
無線綴じ / オンデマンド印刷 / 62ページ / B5 / 表紙(両面カラー マット紙 135kg ) / 本文(両面カラー マット紙 110kg)

 頒価は1冊1500円(+送料370円)。
 ご希望の方は明星輪寺まで振替口座でお申し込みください。
 郵便振替 00850-0-4923 口座名義 明星輪寺